田辺良顕

田辺良顕の人物と経歴

田辺良顕（たなべ よしあき）は、1834年5月9日、越前国足羽郡福井竹ヶ鼻町で生まれました。彼は福井藩士である田辺周吉の長男として育ち、幕末から明治時代にかけて日本の政治と社会に影響を与えた人物です。

経歴の始まり

田辺は1868年に由利公正の勧めを受け、福井藩兵の常備一番隊長として上京しました。その後、第一大区取締（警察）に就任し、東京府権典事や第四大区総長など、様々な役職を歴任しました。1877年には西南戦争が勃発すると、警部巡査を引率し京都での警備に従事しました。この戦争では、陸軍歩兵中佐兼少警視に任官され、別働第三旅団の参謀として各地を転戦しました。

彼は戦後、警察の任務に復帰し、権中警視や一等警視、巡査総長などを経て、内務権大書記官・警保局長に就任しました。

高知県令としての功績

1883年2月、田辺は高知県令に任命され、1886年には県知事としての職務を引き受けました。在任中は四国新道計画を推進し、地域の発展に寄与しました。1888年には元老院議官となり、1890年には元老院の廃止に伴い、その職を離れましたが、その後も錦鶏間祗候として活動しました。

人物の特性

田辺は馬術を好み、高知県令在任中に宮内省の調馬手長である目方雅周の実弟、目方雅義を高知に呼び寄せました。このことがきっかけで、高知地方における馬術や地方競馬の発展が始まりました。彼の影響で、「土佐平馬会」が設立され、高知公園近くには梅ヶ馬場が整備されました。

栄典と業績

田辺の功績は評価され、複数の位階や勲章を受けました。1874年には従六位、1894年には正四位、そして1897年に従三位が授与されています。また、1889年には大日本帝国憲法発布記念章、1894年には勲二等瑞宝章を受け取っています。彼の業績は、特に治安維持や地方行政におけるリーダーシップにおいて高く評価されています。

伝記と参考文献

田辺良顕に関する伝記は『田辺良顕伝』として1949年にまとめられ、多くの情報源が彼の業績や生涯を伝えています。また、日本人名大辞典や明治警察史研究など、多様な出版物によって彼の詳細な経歴が記録されています。

田辺良顕は1897年2月8日に世を去りましたが、彼の業績は現在も多くの人々によって評価されています。

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