由良ノ海楫五郎

由良ノ海 楫五郎の生涯と業績

基本情報

由良ノ海 楫五郎（ゆらのうみ かじごろう）は、1793年に誕生し、1852年に亡くなった大相撲力士です。彼は粂川部屋と雷部屋に所属しており、本名は益子とされます。彼の出身地は現在の栃木県那須郡那珂川町で、最高位は東前頭の4枚目でした。

幼少期と初土俵

幼少期から相撲に才能を示していた楫五郎は、1816年3月に四海浪 吉五郎の名で初土俵を踏みました。彼は初めての場所で西前頭6枚目に附出されましたが、プロの厳しさは想像以上でした。この時期、彼は1818年2月場所の千秋楽で初勝利を収めるまでの約2年間、勝利から遠ざかっていました。これが原因で彼は27連敗という最長連敗記録を更新してしまい、結果的に番付は急降下しました。

専門的な試練

1800年代の相撲界では、実力を証明することが難しく、楫五郎も例外ではありませんでした。彼は1821年2月場所で再度番付がつけられるも、負け越しとなり、再度一時の低迷期に陥ります。この時期は、相撲界での生き残りを懸けた戦いの連続でした。

復活と昇進

しかし、1824年10月場所には東二段目7枚目に昇進し、彼のうつうつとした日々は次第に明るさを取り戻しました。相撲のコツを掴んだ彼は、この後徐々に勝ち星を重ねて行くことになりますが、それでも黒星も含めた成績が続きました。興味深いことに、彼の番付は勝敗に反比例して上昇していったことから、相撲界の独自のルールを垣間見ることができます。

再入幕とその後

1828年3月場所では、ついに東前頭7枚目として再入幕を果たしました。再入幕後には安定した勝率を残しながらも、1832年11月場所では元の幕内番付に外される不運に見舞われます。しかし、1833年11月場所では5勝1敗2分という成績で、優勝同点に輝く活躍を見せました。

引退と後進の指導

1837年に名跡を継ぎ、3代目湊川を名乗るようになり、1843年まで現役を貫きました。その後、年寄専務に転職し、弟子を育てることに尽力しました。特に、湊川四良兵衞を育成して「湊川部屋中興の祖」と称えられました。

最後の日々

楫五郎は1852年に亡くなるまで、相撲界に多大な影響を与えてきました。彼の通算成績は19場所で38勝、59敗、63休、13分、2預、2無となっています。また、故郷の愛宕神社には彼にちなんだ額が掲げられており、彼の功績を今に伝えています。

改名の歴史

楫五郎は生涯の中で4回の改名を経験しました。四海浪 吉五郎から始まり、最後は湊川 楫五郎まで、彼の相撲人生はその成長と変化の歴史でもありました。

由良ノ海 楫五郎は、数々の困難にもかかわらず相撲界で成功を収め、後世に名を残した力士として、今もなお評価されています。

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