由良港 (兵庫県)

由良港の魅力と歴史

由良港（ゆらこう）は、淡路島の南東端に位置する兵庫県洲本市にある地方港湾で、兵庫県が管理しています。紀淡海峡の淡路島側に展開するこの港は、天然の防波堤を形成する成ヶ島によって守られた自然の良港であり、地域経済において重要な役割を果たしています。

港の概要

由良港は、その立地と自然条件から大変恵まれており、かつては紀淡海峡を渡る旅客船が運航していました。1899年（明治32年）からは、和歌山市加太港との間で旅客運航が行われていましたが、この航路は現在は廃止されてしまいました。現在、由良港は漁港としての機能と、内航貨物の積出しを行う貨物港としての役割が主となっています。

例えば、2008年の実績によると、500トン未満の内航貨物船の入港は129隻で、主に和歌山下津港からのセメントがおよそ16,389トン、水産物の水揚げは1,488トンという内容でした。また、成ヶ島への渡し船も運航されており、地域の交通網の一部として機能しています。

歴史的背景

由良港の歴史は古く、奈良時代にまでさかのぼります。当時、南海道が整備されることにより、由良港は海上交通の要所として栄えました。さらに、江戸時代の慶長18年（1613年）には池田忠雄が成ヶ島に成山城を築き、その周辺は城下町となりました。しかし、寛永8年（1631年）には城が洲本に移転したため、由良港の役目も変わっていきました。

寛永から明和年間にかけては、蜂須賀氏の手によって由良湾の水路が開削され、江戸と大阪をつなぐ菱垣廻船の寄港地としての重要性が高まりました。明治22年（1889年）になると、由良港周辺には由良要塞が建設され、司令部が設置されるなど、軍事的な役割も果たしました。

アクセスと周辺施設

由良港へのアクセスは、洲本市からのバス（淡路交通）を利用するか、兵庫県道76号洲本灘賀集線を経由する方法があります。また、由良港周辺には洲本市立由良小学校や洲本市立由良中学校といった教育機関もあり、地域密着型の施設が揃っています。

まとめ

由良港は、その美しい自然環境と豊かな歴史を持つ港町です。現在も漁港や貨物港として地域の方に利用されており、今後も地域の発展に寄与していくことでしょう。観光地としての魅力もありますので、淡路島を訪れた際にはぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

もう一度検索