男の星座

男の星座

概要

『男の星座』（おとこのせいざ）は、日本の漫画作品で、原作を梶原一騎、作画を原田久仁信が担当しています。この作品は1985年から1987年の間、週刊漫画ゴラクで連載されました。本作は梶原の引退作であり、彼の人生を反映した自伝的な内容が特徴です。ただし、梶原の死去により未完となっています。

作品の特長

「一騎人生劇場」の副題からもわかるように、主人公には梶原自身が据えられる形で物語が進んでいきます。梶原は過去に『四角いジャングル』や『空手バカ一代』などの作品を執筆しており、格闘技界に密接に関わっていましたが、この作品ではフィクサーとしての視点から描かれています。物語は、梶原が『週刊少年マガジン』の編集長からのプロレス漫画の原作依頼を受けるシーンで終わります。

未展開のエピソード

特に注目すべきは、大山倍達との関係の変化が描かれる予定であった点です。物語の中には「詳しくは後ほど説明する」といったナレーションが入る回もありましたが、物語は大山との初期の関係を中心に進行し、結局彼との友好関係の深まりやその後の破綻には至りませんでした。アントニオ猪木との関わりもほんの僅かに描かれているに過ぎないため、大山の影響が強い作品となっています。

自伝的要素とユーモア

この作品の前半部分は、梶原の出生や家族に関する話、劇画原作者としての背景を掘り下げていますが、後半は他の格闘家や関係者のエピソードが増え、一太を中心とした物語からは少し離れていく感があります。それにもかかわらず、作品にはユーモアが多く盛り込まれており、晩年の新しい創作スタイルが反映されています。

復刻と特典

数回の復刻が行われており、初版のゴラクコミックス版には、梶原の実弟である真樹日佐夫による短編「さらばアニキ」が収められています。これは梶原の幼少期からの思い出を振り返りつつ、彼の人生をさまざまな角度から探る内容となっています。また、真樹は自身の考えを述べ、「続編を期待する声があったが、これは原作者に失礼だ」とお断りしている点も興味深いです。

主な登場人物

• - 梶一太: 主人公であり、ケンカっ早く、少年院にいた経歴を持つ。のちに劇画原作者として活躍。
• - 梶東輔: 一太の父親で、やり手の編集者。子を見守る優しさを持ちつつも、厳しい生き様を送る。
• - 八神カオル: 一太の初恋の女性。ストリッパーで、一太との苦悩を共有する。
• - 大山倍達: 空手家で、一太が彼に惹かれるきっかけを作った人物。
• - 力道山: プロレス界のスーパースター。彼との交流が一太の人生に大きな影響を与える。
• - その他、多くの格闘家や関係者のエピソードが描かれています。

このように『男の星座』は、梶原一騎の深い人生の描写と、彼が関わった人々の物語を通じて、格闘技界の裏側をも伝える作品となっています。その完成されていない物語から、読者は多くの想像を巡らせることができ、彼の人生をより深く理解する手助けとなるでしょう。

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