画魂

画魂：波瀾万丈の画家の人生を描いた映画とドラマ

中国出身でフランスで活躍した西洋画家、潘玉良（パン・ユィリャン）。彼女の数奇な生涯を描いた中国小説『画魂—潘玉良伝』（石楠著）を原作とする映画とテレビドラマが制作されました。小説は日本未訳ですが、映画とドラマを通じて、潘玉良のドラマティックな人生を知ることができます。

映画『画魂 愛、いつまでも』：コン・リー主演による強烈な物語

1992年公開の映画『画魂 愛、いつまでも』（原題：画魂、英題：Soul of a Painter）は、コン・リーが潘玉良を熱演した作品です。安徽省の娼館で働く玉良は、清廉な官吏・潘贊化と出会い、恋に落ちます。しかし、潘贊化には妻がおり、スキャンダルで職を失います。

その後、上海に移り住んだ2人。玉良は絵画の才能を開花させ、パリへ留学。そこで成功を収め、南京中央大学の教授職を得て帰国しますが、過去の妓女という経歴が暴露され、再び苦境に立たされます。失意のうちにパリに戻った玉良は、数多くの作品を残し、82歳で生涯を終えます。映画は、玉良の画家としての才能と、激動の人生を描き、コン・リーの圧倒的な存在感が光る作品となっています。

主要キャスト

潘玉良：コン・リー
潘贊化：イー・トンシン
その他：達式常、沈海蓉、高俊霞、周紹棟、張瓊姿、尤麗端など

テレビドラマ『画魂 愛の旅路』：ミッシェル・リー主演による愛の物語

2003年制作のテレビドラマ『画魂』（原題：画魂、英題：Painting Soul、DVD邦題：画魂 愛の旅路）は、全30話の長編ドラマ。香港のスター、ミッシェル・リーが潘玉良を演じ、映画版とは異なる視点から物語が展開されます。

ドラマ版は、玉良と潘贊化の愛の軌跡を主軸に物語が進んでいきます。潘贊化の家庭環境や交友関係が詳細に描かれ、回によっては潘贊化が主人公のように見える場面もあります。社会背景や時代性（日中戦争、国共内戦など）は具体的には描かれていませんが、玉良の心情を伝える独白が随所に挿入されています。パリに戻った後の玉良の後半生は描かれていませんが、一組の男女の成長と、運命に翻弄される人生の悲哀がテーマとなっています。

原作者の石楠は、ドラマ版が原作と大きく異なることに不満を示したと伝えられています。

主要キャスト

潘玉良：ミッシェル・リー
潘贊化：胡軍
その他：伊能静、劉燁、郝岩、周月、孔維、庹宗華、楊曉雯、葦以茵、沈浮、林津鋒、張磊、趙祥、毋萌萌、陳昊、張永寧、張亮など

スタッフ

監督：スタンリー・クワン、牛楽
脚本：楊智深
美術：張叔平
音楽：許舒亜

映画版とドラマ版の比較

映画版は画家としての潘玉良の人生を、ドラマ版は玉良と潘贊化の愛の物語をそれぞれ中心に描いています。そのため、それぞれの作品で描かれる潘玉良像や物語の重点は異なります。どちらの作品も、潘玉良という一人の女性の、複雑で魅力的な人生を異なる角度から捉えた見事な作品と言えるでしょう。

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