畠山義寧

畠山義寧 (はたけやま よしやす)

畠山義寧は、江戸時代の前期から中期にかけて活躍した高家旗本であり、彼の通称は修理です。また、官位は従四位下・左少将、下総守を持ち、江戸木挽町の築地に住んでいました。初めての石高は3000石でしたが、宝永年間には1100石に減少し、その後再び3100石に戻されました。

経歴

義寧は、高家肝煎を務めた畠山義里の長男で、母親は松平真次の娘です。延宝3年（1675年）の2月28日に、彼は4代将軍・徳川家綱に初めて謁見し、延宝6年（1678年）の5月4日には表高家に列しました。天和元年（1681年）には、高家旗本の地位を離れ小姓に転職しましたが、約1年後にはその役職を辞しました。

1686年には父の隠居により所領を継ぎ、元禄元年（1688年）には再び小姓となりましたが、徳川綱吉の不興を買って一時的に表高家に戻され、将軍への拝謁も禁じられることとなりました。しかし、1694年には再び拝謁が許可され、1699年には奥高家に昇格し、従五位下侍従に任じられ、下総守と称するようになりました。

宝永4年（1709年）には、東山天皇の譲位に際し将軍の使者として上洛し、同年の7月に従四位下に昇進しました。また、享保元年（1716年）には高家肝煎に任命され、徳川吉宗の将軍宣下を遂行するために京都へ赴きました。享保2年（1717年）には、増上寺での法事において勅使として参拝していた際に意見を求められ、応じることで幕府から一時出仕を禁じられましたが、すぐに許可を得ました。享保14年（1729年）には高家肝煎を辞し、享保18年（1733年）に隠居して息子に家督を譲り、隠居後は梅厳と号しました。

1733年の隠居の後、義寧は1746年に亡くなるまでの間、平穏に過ごしていた。しかし、彼の生涯には二度の重大な傷害事件がありました。

二度の傷害事件に関与

義寧は親戚である米沢藩の上杉家の江戸藩邸に頻繁に出入りしており、元禄15年（1702年）の赤穂事件の際、父を殺害した赤穂浪士に対する追討軍の派遣を上杉綱憲に止めさせました。この事件はしばしば、架空の物語では上杉家の家老に描かれることが多いですが、実際には義寧がその役割を担っていました。

さらに、江戸城中での傷害事件にも居合わせ、吉良義央の補佐を務めていた際に赤穂藩主、浅野長矩が吉良に斬りかかる瞬間に現場にいたことが知られています。この事件でも、彼は吉良を負傷から救助する役割を果たしました。これにより彼はその後も高家肝煎としての地位を保ちながら、多くの歴史的瞬間を目撃した人物として知られています。

また、宝永6年（1709年）には、前将軍徳川綱吉の葬儀において再び勅使御馳走役への指南役として活動し、その際にも重要な事件に巻き込まれました。このように彼は一生の中で、二度の大事件の現場に立ち会った特異な経歴を持っています。

系譜

義寧の子供には3男2女がいました。父は義里、母は松平真次の娘、正室は前田利意の娘であり、長男の義躬は1740年に亡くなります。次男は内藤勝尹で、彼は内藤勝良の養子となりました。

延享3年（1746年）6月4日、義寧は83歳で亡くなり、菩提寺である臨江寺に埋葬されました。

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