畢公高

畢公高（ひつこう こう）は、古代中国の西周時代初期に活躍した王族であり、周王朝の重臣として知られています。彼の姓は姫であり、名は高です。彼は、周の武王、成王、康王の三代にわたり仕え、その治世を支えました。特に、武王による殷の滅亡と周王朝の成立、そしてその後の初期統治において重要な役割を果たしました。

畢公高は、武王によって畢（現在の陝西省西安市長安区の北）の地に封じられました。このことから、「畢公」と呼ばれるようになりました。武王が即位すると、彼は召公奭（しょうこうせき）とともに、王の側近として重用されました。武王が殷を攻撃するために鮮原に進軍した際には、畢公高も召公奭とともに召し出され、武王の軍事行動を補佐しました。

武王が殷の都である朝歌に入ると、畢公高は護衛役として、周公旦（しゅうこうたん）とともに武王を守りました。周公旦が大鉞（だいがつ）を持ったのに対し、畢公高は小鉞（しょうえつ）を持ち、武王の両脇を固めました。また、武王の命を受けて、捕らえられていた人々を釈放する役割も担いました。

武王の死後、成王の時代には、畢公高は太師（たいし）という役職に就き、成王の教育を担当しました。成王の死去に際しては、召公奭とともに成王の遺命を受け、諸侯を率いて康王を補佐しました。成王の葬儀では、召公奭が西方諸侯を率いたのに対し、畢公高は東方諸侯を率い、葬儀を執り行いました。康王12年には、東郊の民生安定のために康王から命を受け、周原近郊の居里の区画整理を行いました。

畢公高の死後、彼の子孫は畢の封土を失いました。しかし、彼の末裔には晋の畢万（ひつまん）がおり、さらにその後、戦国時代の七雄の一つである魏の始祖となりました。このことから、畢公高は周王朝の初期だけでなく、後の時代の歴史にも大きな影響を与えた人物であると言えるでしょう。彼の生涯は、周王朝の成立と初期の安定に尽力し、その後の歴史に繋がる重要な役割を果たしたことを示しています。彼の功績は、古代中国の歴史において特筆すべきものと言えるでしょう。

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