畢禄山

畢禄山（ひつろくさん）

畢禄山は、台湾の花蓮県秀林郷と南投県仁愛郷の境界に位置する標高3,371mの山です。中央山脈の北二段に位置し、台湾百岳では39位にランクされています。山頂には三等三角点が設置されています。

概要

かつては登山が困難でしたが、中横公路の開通によりアクセスが容易になり、現在では大禹嶺から登る登山者が多くなっています。かつては「碧綠山」とも呼ばれていましたが、現在でも「畢禄山」という呼び名が一般的です。

畢禄山から鋸齒連峰、羊頭山を経て慈恩隧道へ下るコースは「畢羊縦走」と呼ばれ、登山者に人気があります。山頂の地形はタロコ語で「Dgiyaq Ngahu（断崖の山）」と呼ばれています。

遭難事故

畢禄山は登山者に人気の山ですが、過去にはいくつかの遭難事故が発生しています。

2012年12月30日、4人の登山グループが軽装備で畢羊縦走に挑戦しましたが、そのうちの一人である陳秀寛氏が鋸齒連峰で低体温症と高山病により意識を失いました。残りの3人も低体温症を発症し、地形が険しかったため、陳氏を搬送できず、救助を求めて下山しました。花蓮県消防局によって発見された際には3人は凍えており、救助隊によって合歓山派出所に搬送されました。救助隊が陳氏を発見したときにはすでに死亡しており、積雪と地形、装備不足のため遺体を回収することができませんでした。その後、救助隊を増員し、2013年1月6日に救急ヘリで遺体が回収されました。
2020年5月16日、台北大学の登山隊16人が畢禄山に登山中に、1人が転落して死亡しました。
* 2020年11月17日、台中からの登山客7人のうち女性3人が鋸齒連峰で行方不明となりました。2人は救助されましたが、残りの1人は低体温症により死亡しました。

これらの遭難事故から、畢禄山への登山には十分な準備と注意が必要であることがわかります。特に、冬期の登山や縦走は、天候の変化や低体温症のリスクが高いため、経験豊富な登山者と同行し、適切な装備を携行することが重要です。

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