畢贛

畢贛（ビー・ガン）のプロフィールと映画製作の軌跡

中国の映画監督であり脚本家である畢贛（ビー・ガン）は、1989年6月4日に貴州省凱里市で生まれました。ミャオ族に属する彼は、独自の文化的背景を持ちながら映画界に新たな視点をもたらしています。大学時代にアンドレイ・タルコフスキーの映画『ストーカー』を観たことが、彼の映画製作への情熱をかき立てるきっかけとなりました。当時、彼はハリウッド映画に多く触れており、主流の映画作りに対する疑問を抱いていました。この映画との出会いにより「映画はもっと自由に、個人の個性を表現できるものだ」という考えを持ち始めたのです。

映画製作のスタート

2010年、畢贛は彼のキャリアの始まりとなる短編映画『南方』を製作。この作品は、大学が支援する映画祭で初めての賞を受賞し、彼の名前を知らしめることとなりました。さらに2年後、白黒の短編映画『金刚经』を作成し、香港でのIFVA賞で特別賞を受賞します。この頃から彼の作品は、注目を集めるようになっています。

長編デビューと受賞歴

2015年、待望の長編映画『凱里ブルース』を発表します。この作品は、重要な賞を多数受賞し、特に第52回金馬奨では新人監督賞を獲得しました。また、FIPRESCI賞やナント三大陸映画祭の金の気球賞、ロカルノ国際映画祭の最優秀新人長編映画賞なども受賞し、彼は新進監督としての地位を確立しました。『凱里ブルース』は、彼の独特な視点や物語展開が高く評価された作品となっています。

進化する作品群

2018年に彼は2作目の長編映画『ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ』を公開します。この作品には、タン・ウェイやホアン・ジエ、シルヴィア・チャンといった著名な俳優が出演しています。舞台は再び貴州省で、特徴的な風景と人々の生活が描かれています。この映画もカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門に出品され、国際的な注目を集めました。

2022年には短編映画『Bi Gan A SHORT STORY ビー・ガン/ショート・ストーリー』が第75回カンヌ国際映画祭の短編映画コンペティションに出品され、さらなる評価を受けています。彼の映画製作のスタイルは、作品ごとに進化し続けており、多様なストーリーや映像表現が盛り込まれています。

最近の活動と今後の展望

2025年には新作『狂野時代（Resurrection）』が公開予定で、すでに第78回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門に出品されたことが発表されています。この作品に対する期待も高まっており、彼の次なる挑戦と成長が見逃せない状況です。

まとめ

畢贛は、独自の視点と表現力で中国映画界に革新をもたらす新たな才能です。彼の作品は、受賞歴からもわかるように国内外で高く評価されており、今後の活躍にも目が離せません。彼の描く物語は、観客に深い感動と思考を促すものとなっており、次世代の映画製作の可能性を広げています。

もう一度検索