FIPRESCI

国際映画批評家連盟（FIPRESCI）について

国際映画批評家連盟（FIPRESCI、フランス語: Fédération Internationale de la Presse Cinématographique、英語: International Federation of Film Critics）は、世界各国の映画批評家やジャーナリストの団体によって構成される国際組織です。この連盟は、「映画文化の推進と発展、および職業的利益の保護」を目的として活動しており、一般には「国際映画批評家連盟」として知られています。

歴史と組織

FIPRESCIは、1930年6月にフランス、イタリア、ベルギーの批評家を中心にパリで設立されました。現在では50を超える国々の団体が加盟しており、日本からは日本映画ペンクラブが参加しています。この連盟は、映画批評家たちの専門的な視点を集結させ、映画界全体の発展に寄与することを目指しています。

FIPRESCI賞

FIPRESCIは、カンヌ国際映画祭、ヴェネツィア国際映画祭、ベルリン国際映画祭などの主要な映画祭において、革新的で進取的な映画作品を評価し、国際映画批評家連盟賞（FIPRESCI Award）を授与しています。この賞は、映画祭における重要な賞の一つとして広く認知されています。

FIPRESCIグランプリ

1999年からは、年間で最も優れた作品を選出するFIPRESCIグランプリ（FIPRESCI Grand Prix）が設けられました。この賞は、FIPRESCIに所属する約600人の批評家の投票によって選ばれ、例年サン・セバスティアン国際映画祭のオープニングセレモニーで授賞式が行われます。グランプリは、その年の映画界を代表する作品として、世界中の映画ファンから注目されています。

オンラインジャーナル『Undercurrents』

FIPRESCIは、2005年からオンライン映画ジャーナル『Undercurrents』（「底流」の意味）を発行しています。このジャーナルは、映画批評家のクリス・フジワラが編集長を務め、映画に関する多様な視点や意見を提供しています。

FIPRESCIグランプリ受賞作品一覧

以下に、1999年から2024年までのFIPRESCIグランプリ受賞作品をまとめました。

1999年度: 『オール・アバウト・マイ・マザー』ペドロ・アルモドバル監督
2000年度: 『マグノリア』ポール・トーマス・アンダーソン監督
2001年度: 『チャドルと生きる』ジャファール・パナヒ監督
2002年度: 『過去のない男』アキ・カウリスマキ監督
2003年度: 『冬の街』ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督
2004年度: 『アワーミュージック』ジャン＝リュック・ゴダール監督
2005年度: 『うつせみ』キム・ギドク監督
2006年度: 『ボルベール〈帰郷〉』ペドロ・アルモドバル監督
2007年度: 『4ヶ月、3週と2日』クリスティアン・ムンジウ監督
2008年度: 『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』ポール・トーマス・アンダーソン監督
2009年度: 『白いリボン』ミヒャエル・ハネケ監督
2010年度: 『ゴーストライター』ロマン・ポランスキー監督
2011年度: 『ツリー・オブ・ライフ』テレンス・マリック監督
2012年度: 『愛、アムール』ミヒャエル・ハネケ監督
2013年度: 『アデル、ブルーは熱い色』アブデラティフ・ケシシュ監督
2014年度: 『6才のボクが、大人になるまで。』リチャード・リンクレイター監督
2015年度: 『マッドマックス 怒りのデス・ロード|マッドマックス_怒りのデス・ロード』ジョージ・ミラー監督
2016年度: 『ありがとう、トニ・エルドマン』マーレン・アデ監督
2017年度: 『希望のかなた』アキ・カウリスマキ監督
2018年度: 『ファントム・スレッド』ポール・トーマス・アンダーソン監督
2019年度: 『ROMA/ローマ|ROMA_ローマ』アルフォンソ・キュアロン監督
2020年度: 未授賞
2021年度: 『ノマドランド』クロエ・ジャオ監督
2022年度: 『ドライブ・マイ・カー』濱口竜介監督
2023年度: 『枯れ葉』アキ・カウリスマキ監督
2024年度: 『哀れなるものたち』ヨルゴス・ランティモス監督

まとめ

FIPRESCIは、映画批評家たちが集まり、映画文化の発展に貢献する重要な組織です。その活動は、映画祭での賞授与、オンラインジャーナルの発行、そしてグランプリの選出を通じて、世界の映画界に大きな影響を与えています。FIPRESCIの活動は、映画ファンにとって、質の高い映画作品を見つけるための重要な指標となっています。

外部リンク

FIPRESCI - 公式サイト（英語）
FIPRESCI(old) - 旧公式サイト（英語）
Undercurrents - FIPRESCIサイト内（英語）
FIPRESCI (@FIPRESCI) - X（旧Twitter）
* FIPRESCI (Fipresci) - Facebook

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