痛いほどきみが好きなのに

『痛いほどきみが好きなのに』（原題：The Hottest State）は、2007年に公開されたアメリカ映画です。俳優としても知られるイーサン・ホークが監督・原作・脚本を手掛けた作品で、彼の2作目の監督作品となります。原作は、ホーク自身が1996年に書き下ろした同名小説です。

制作の背景

本作は、ホークが『ビフォア・サンセット』で脚本を手掛けた後に、再び自身で脚本を担当した作品です。音楽監督には、ノラ・ジョーンズの「Don't Know Why」でグラミー賞を受賞したジェシー・ハリスが起用されました。ハリスとホークの呼びかけにより、ウィリー・ネルソン、ノラ・ジョーンズ、キャット・パワー、ブライト・アイズ、ファイスト、ザ・ブラック・キーズといった豪華なアーティストたちが参加し、ハリスの楽曲を歌っています。

物語

ニューヨークを舞台に、若手俳優のウィリアムと歌手を目指すサラの恋愛模様が描かれます。バーで出会った二人は、互いに惹かれあい、急速に距離を縮めていきます。しかし、サラの過去の恋愛や歌手としての夢、そして二人の間に生じる心のすれ違いが、ウィリアムを苦悩させていきます。彼は、元恋人や母親、そして長年確執のあった父親との再会を通して、自分自身と向き合っていくことになります。

キャスト

ウィリアム：マーク・ウェバー
サラ：カタリーナ・サンディノ・モレノ
ミセス・ガルシア：ソニア・ブラガ
ヴィンス：イーサン・ホーク
ジェシー：ローラ・リニー
サマンサ：ミシェル・ウィリアムズ

音楽

本作のサウンドトラックは、豪華アーティストが集結したことで話題となりました。ジェシー・ハリスが中心となり、それぞれのアーティストが独自の解釈で楽曲を歌い上げています。日本盤には、JUJUによる「Somewhere Down The Road」の日本語カバーがボーナストラックとして収録されています。

サウンドトラック収録曲

1. ロサリオ・オルテガ (Rocha): Ya No Te Veria Mas (Never See Youのスペイン語版)
2. ウィリー・ネルソン: Always Seem To Get Things Wrong
3. ファイスト: Somewhere Down The Road
4. ブライト・アイズ: Big Old House
5. エミルー・ハリス: The Speed Of Sound
6. ジェシー・ハリス: It Will Stay With Us
7. ブラック・キーズ: If You Ever Slip
8. M･ウォード: Crooked Lines
9. ノラ・ジョーンズ: World Of Trouble
10. ブラッド・メルドー: Never See You (インストゥルメンタル)
11. キャット・パワー: It's Alright To Fail
12. ジェシー・ハリス: One Day The Dam Will Break
13. トニー・シェアー: You, The Queen
14. Morning In A Strange City (インストゥルメンタル)
15. ロサリオ・オルテガ (Rocha): No More
16. ジェシー・ハリス: Dear Dorothy
17. ロサリオ・オルテガ (Rocha): Never See You
18. There Are No Second Chances (インストゥルメンタル)
19. JUJU: Somewhere Down The Road (日本語版) ※日本盤のみのボーナストラック

評価

本作は、第63回ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門に出品されました。Metacriticでは20件のレビューで45点、Rotten Tomatoesでは54件のレビューで31%の支持を得ています。

日本公開

日本では、2008年5月17日から新宿武蔵野館を皮切りに全国で順次公開されました。ジュリー・デルピー監督の『パリ、恋人たちの2日間』との2作品合同キャンペーンも実施されました。

恋愛の痛みや成長を描いた本作は、イーサン・ホークの才能が光る作品として、多くの観客に感動を与えました。

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