『
発育ステータス 御起立ジャポン』は、椎名林檎が
2000年に行った
ライブハウスツアーの模様を収録した映像作品です。
2000年12月7日に東芝EMIから
VHSと
DVDで発売され、
2013年11月13日には
Blu-ray Disc版がユニバーサルミュージック合同会社からリリースされました。
この作品は、椎名林檎が「
発育ステータス」というバンド名義で行ったシークレット
ライブハウスツアーを中心に構成されています。通常のライブ映像作品とは異なり、ステレオ処理などを施さず、ダイレクトな音質で収録されているのが特徴です。また、画質も家庭用ビデオカメラで撮影したかのような荒い画質で、ライブの臨場感をそのまま伝えることに重点が置かれています。メンバーの衣装も用意されたものではなく、各自が持っている私服で演奏している点も特徴的です。
このツアーで披露された楽曲は、全て椎名林檎を中心としたメンバーによって書き下ろされた新曲です。バンド名や曲名は、
育児や
植物学、
園芸に関連する言葉から付けられています。ジャケットのアートワークには、
木村豊による、
花に群がる
害虫に
殺虫剤を散布する手のイラストが採用されています。
収録されている楽曲は「発芽」「悪い苗 良い萠」「
害虫駆除」「生え抜き」「たかいたかい」「咲かせてみて」「今夜だふ」「雌
花 故 雄
花」「光合成」の全9曲です。しかし、「膨らんできちゃった」と「はいはい」の2曲は本作には収録されず、後に発売された3枚組シングル集『
絶頂集』に収録されています。ただし、エンドロールには「はいはい」が途中まで使用されており、冒頭に収録されている『
絶頂集』のCMには「膨らんできちゃった」が使用されています。
これらの楽曲は、基本的にこのツアーでのみ披露されたものですが、一部例外があります。同年11月25日に
原宿アストロホールで開催された
ゆらゆら帝国とのライブ「激昂クヲンタイヅ」では、虐待グリコゲンとして「今夜だふ」が披露されました。また、2018年のツアー「(生)林檎博'18 ―不惑の余裕―」では、「はいはい」が披露されています。
「悪い苗 良い萠」の2番の歌詞の一部には、音声と映像に加工が施されている箇所があります。これは、歌詞の中で言及されている人物が、当時の韓国大統領であった
金大中氏であったためです。また、その前にある歌詞「降谷くん」は
Dragon Ashの
降谷建志、「向井くん」は元NUMBER GIRLで現
ZAZEN BOYS|ZAZEN_BOYSの
向井秀徳のことを指しています。
収録内容
全作詞・作曲:椎名林檎 (注記を除く)
全編曲:
発育ステータス(椎名林檎、村田純子、鳥井泰伸、
田渕ひさ子、吉村由加)
セットリスト
1. 発芽
2. 悪い苗 良い萠
3.
害虫駆除
4. 生え抜き
5. たかいたかい
6. 咲かせてみて
7. 今夜だふ
8. 雌
花 故 雄
花
9. 光合成
この作品は、椎名林檎の実験的な側面と、ライブパフォーマンスの熱量を捉えた貴重な映像作品と言えるでしょう。