登別川

登別川

登別川は、北海道登別市を流れ太平洋に注ぐ二級河川であり、登別川水系の本流です。上流にはカルルス温泉、支流のクスリサンベツ川沿いには登別温泉があり、北海道有数の温泉地を形成しています。

流路

登別川は、登別市北東部のオロフレ峠南東の谷に源を発し、南へ流れます。源流部のオロフレ峠直下は粘土質の変質岩が露出した崩壊地形であり、北海道地質百選にも選ばれています。上流にはカルルス温泉があります。中流では南南東に流れを変え、深い渓谷を刻みます。渓谷の終わり近くで支流のクスリサンベツ川と合流します。下流では両岸に平地を作りながらも山の中を流れ、南から東へ向きを変え、登別市街の南で太平洋に注ぎます。温泉の影響で河口付近まで硫黄の匂いが漂うことがあり、上流ではマス釣りが楽しめます。

水質

アイヌ語で「（水色の）濃い川」を意味する「ヌプル・ペッ」が、登別川の語源とされています。最上徳内が1790年（寛政2年）に著した『蝦夷草紙』には、登別川について、川上から湧き出る温泉水が流れ込むため、「白粉と紺青を掻き立てた」ような色に濁っていたと記されています。現在もその水色は変わっていません。この温泉水は主に支流のクスリサンベツ川から流れ込んでいます。

アイヌの人々は、クスリサンベツ川との合流点より下流をヌプル・ペッ、それより上流をペケレ・ペッと呼び分けていました。日本語でもかつては合流点より上流を千歳川と呼んでいました。合流点直前にある千歳水源からは取水が行われ、千歳浄水場を経て室蘭市と登別市に上水道が供給されています。

支流

クスリサンベツ川

橋梁

東雲橋
寿橋
新登別大橋 - 北海道道782号上登別室蘭線
登別川橋 - 道央自動車道
登別橋
登泉橋 - 国道36号
登別川橋梁 - JR室蘭本線
港橋 - 北海道道701号登別港線

参考文献

山田秀三「北海道のアイヌ語地名十二話」、『アイヌ語地名の研究』第1巻所収、草風館、1982年。初出は『アイヌ民俗誌』、1969年。
山田秀三「北海道のナイとペッ　その分布と意味」、『アイヌ語地名の研究』第1巻所収、草風館、1982年。初出は『アイヌ民俗誌』、1969年。

関連項目

日本の川一覧
* 北海道の川一覧

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