登山における最高到達高度の記録

登山における最高到達高度と登頂高度の歴史

登山の世界では、最高到達高度と登頂高度に関する記録が重要な意味を持ちます。本記事では、その歴史をさかのぼり、特にエベレスト登頂の成功を中心に様々な記録を紹介します。

記録の定義

最高到達高度は人類が到達した最も高い地点の標高を指し、常に山頂である必要はありません。一方、登頂高度は実際に登頂された山の標高を意味します。この二つの記録は、1953年のエベレスト初登頂として歴史に刻まれるまで、不断に更新されてきました。

19世紀以前の記録

古くは870年頃、文人の都良香が富士山について記録したことが、人類の高所到達の古い文献として知られています。富士山頂上に関する最古の記録であり、彼自身の登頂もしくは登頂者に聞き取りを実施したと考えられています。663年には役小角が富士山に登頂したという伝説が存在します。

905年にはアブー・ドラフ・カズラジがイランのダマーヴァンド山に登頂しています。さらに1289年には、メキシコのポポカテペトル山が地元部族によって登られ、1519年にはヨーロッパ人が初めてその山に達しました。しかし、最初の登頂記録が実際には過去に遡る可能性もあり、ここでの足跡は多くの未解決の謎を含んでいます。

ヨーロッパ人のヒマラヤ探検

19世紀の中頃から、ヒマラヤ探検は本格化しました。その際、大三角測量の技術者たちが多くの6,100メートルを超える山を登頂しました。しかし、その多くの主張は後の研究により間違いであることが判明しました。インカ文明の人々も既に高峰に登っていた事実があり、例えば標高6,739メートルのユーヤイヤコではミイラが発見されています。

初の7000メートル越えの登頂

1883年、ウィリアム・グラハムやエミール・ボスらが初めて純粋な登山者としてヒマラヤに挑戦し、多くの記録を残しました。特にガルワール・ヒマラヤでの彼らの試みは注目を集めるものでしたが、正確な山を特定する難しさから、彼らの成果には疑問が呈されています。

その後、1905年にトム・ロングスタッフ一行がグルラ・マンダータという山に登頂し、7,000メートルの壁を初めて破りました。これにより、ヒマラヤの登山史にも新たな一ページが刻まれます。

エベレスト遠征

これらの記録を経て、登山界の注目はエベレストに集まりました。1922年、イギリスのエベレスト遠征隊は8,000メートルの壁を越える偉業を達成しました。この年、ジョージ・マロリーらが8,225メートルに到達したことで、次の時代が開けました。1924年の遠征でノートンが8,570メートルに達し、その後も多くの遠征が続きました。

1953年にヒラリーとテンジンの成功で、エベレストに人類初の登頂が達成されました。この成功が登山の歴史に与えた影響は計り知れず、以降の登山家たちに新しい目標を示しました。エベレストはその後、他の山々に記録を譲ることなく、登山のシンボルともなりました。

女性の登山記録

女性の登山も徐々に進展しました。初めて登頂した女性は、1906年にファニー・ブロック・ワークマンで、彼女の偉業は当時としては特筆すべきものでした。時間が経過する中で、女性登山家達は次第に記録を更新し、1974年には女性による初めての8000メートル峰登頂が達成されました。

結論

登山記録は多様な重要性を持ち、それぞれの時代で持つ意味が変わってきました。エベレストの存在は、挑戦の象徴として今なお多くの登山家にインスピレーションを与え続けています。未知に挑む冒険のための舞台として、この山は決してその名を忘れ去られることはないでしょう。

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