登竜橋 (荒川)

登竜橋について

登竜橋（とうりゅうばし）は、埼玉県秩父市大滝にある荒川に架かる歩道橋です。この橋は、三峰山への登山道の入口に位置し、古くからの参拝道である三峰山表参道の重要な一部を担っています。旧字体では「登龍橋」とも表記されることがありますが、一般的には「登竜橋」と呼ばれています。また、大輪登竜橋としての呼称も使用されることがあります。

橋の概要

登竜橋は、荒川の河口から143.5 kmの地点に配置されており、三峯神社へ向かう信仰の道としての役割を果たしています。この橋は過去に運営されていた三峰ロープウェイの交通手段ともなっていました。1955年に完成した現在の橋は三代目で、長さは40.0メートル、幅は2.5メートル、支間長は39.6メートルという規模です。上路式の鋼アーチ構造を持ち、アーチライズ比が小さいため、一見すると桁橋に似た外観を持っています。さらに、橋面は弓なりに反った縦断曲線を描いており、コンクリート製の床板には石畳風の舗装が施されています。高欄は鋼製で、擬宝珠がついた宝珠柱も設置されています。また、橋全体が朱塗りで、美しい印象を与えます。取り付け道は斜面に沿ってクランク状の形を成しており、敷石舗装が施されています。

現在、橋は秩父市が管理しており、歩行者専用となっています。一般車両は禁止されており、公共交通機関は運行されていませんが、近くには西武観光バスの「大輪」停留所があります。

歴史

登竜橋の歴史は古く、明治時代には初代の橋が架けられていました。具体的な設置日は不明ですが、明治時代までに現在の橋よりも少し下流に架かっていた木製の桁橋が初代として使用されていました。初代橋は1914年に老朽化のため架け替えられ、二代目の旧登竜橋が開通しました。この二代目も木造であり、構造的にはプラットトラス形式でした。

1955年に現在の鋼製の橋が架け替えられ、近年では橋の老朽化が進んでいるため、秩父市が補修工事を行うことになりました。2017年には劣化した塗装の修繕が行われています。

周辺環境

登竜橋は三峰山のふもとの美しい自然に囲まれており、周辺は秩父多摩甲斐国立公園としても知られる地域です。「三斜の山間部」は独特の地層を持ち、周囲には大輪地区の集落が点在しています。橋の近くには三峯神社の鳥居や、狛犬を模した狼の像もあり、古くからの参拝者を迎えています。また、周囲には江戸時代から続く多くの石碑が並ぶ陰影の深い杉並木も存在し、歴史的な風情を感じさせます。

さらに、登竜橋の周辺にはいくつかの観光スポットも点在しており、特に紅葉シーズンにはライトアップが実施され、多くの訪問者で賑わいます。登竜橋自身も観光名所となっており、訪れる人々には自然の美しさとともに、刻まれた歴史を感じることができる場所です。

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