白ポスト

白ポストの概要

白ポストとは、日本各地に設置されている、有害図書を回収するための箱です。この箱は、子供たちの目に触れないようにするために、特に駅前や公共の場所に設置されます。主に広場のゴミ箱や列車の網棚に捨てられたポルノ雑誌などを対象としています。

形状と色

白ポストの形状は多種多様です。一般的な箱型だけでなく、紙を食べる動物を模したやぎ型やひつじ型、益虫であるナナホシテントウ型、円筒型、さらには歴史的な埴輪を模したものなどがあります。塗装も白だけではなく、緑色やステンレス製のものも存在します。

名称

「白ポスト」という名称は、通常の郵便ポストの白色の箱を参考に名付けられましたが、地域によっては「やぎの箱」や「有害図書回収箱」、「悪書ポスト」などと呼ばれることもあります。これにより、それぞれの地域色が色濃く反映されています。

管理と運営

白ポストに投入された書籍は、設置主体によって仕分けや処分が行われます。しかし、2024年時点でその回収量は減少傾向にあり、当初の目的以外のゴミや郵便物が投函されるケースも見られます。設置主体には「少年センター」や「青少年センター」、教育委員会、または地域の任意団体などがあり、地域ごとに異なる背景があります。

歴史的背景

白ポストが最初に設置されたのは1963年のことで、尼崎市においてドラム缶が白塗りされ、有害図書を回収するために使われました。1950年代には、性や暴力、麻薬をテーマにした出版物が市場に出回り、これを受けて教育者や保護者たちは「悪書追放運動」を展開するようになります。その当時、子供たちには性欲がないと考えられていたものの、1960年代に入ると少年向けのマンガ雑誌が大量に刊行され、教育現場や家庭での懸念が高まります。子供たちが安全に遊び、健全に育つための環境作りが重要視されるようになり、白ポストは全国に広がることとなりました。

現在の状況

一時期は多くの有害図書が回収されていた白ポストですが、1980年代から1990年代にかけてアダルトビデオやDVDが登場すると、収集の範囲が広がりました。しかし、管理の難しさから、ごみを投げ入れられたり、盗難の被害に遭ったりすることも多くなりました。また、インターネットの普及によって、より多くの人が簡単に有害なコンテンツにアクセスできるようになったため、白ポストの設置数は徐々に減少しています。

それでも、長崎県では2010年代に回収数が増加している地域もあり、まだ多くの人々に利用されているところもあります。しかし、姫路市や西宮市のように利用者が減少した地域では、白ポストの使用が停止されたり、撤去されることもあります。白ポストの今後の存在意義については、さまざまな議論が続いています。

参考文献

• - 有害図書
• - 悪書追放運動
• - メディア効果論
• - 児童買春、児童ポルノに係る法律

このように、白ポストは日本社会における有害図書の管理と教育環境の保護を目指してきた重要な取り組みの一つです。

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