白子 (精巣)

白子の概要

白子（しらこ）は、魚類の成熟した精巣を指し、様々な料理に用いられる食材です。具体的には、フグ、タラ、アンコウ、サケ、タイ、サワラ、イカなどの白子が特に人気です。一般的に白子は75%から82%の水分を含み、脂肪は1%から5%程度です。また、プロタミン（ヒストン）やヌクレオプロテインなどの強塩基性タンパク質やポリアミンが豊富に含まれています。さらに、白子にはDNAが豊富に含まれており、その栄養価は非常に高いと言えます。

フグの白子

フグの白子は、特に風味が豊かであることから人気があります。しかし、フグの身や内臓には猛毒のテトロドトキシンが蓄積されるため、慎重に取り扱う必要があります。フグの種類によって毒素の蓄積部位は異なりますが、比較的白子にテトロドトキシンが蓄積されない種も存在し、安全性が高い点が評価されています。このことから、フグの白子は美味しい珍味として多くの料理に用いられ、特に鍋物や刺身として楽しまれています。

サケの白子

サケの白子は主にDNAやプロタミンの抽出材料として利用されることが多いです。これらは核酸系調味料や保存料、健康食品、化粧品などに応用されています。さらに、2013年には、リン酸がレアアースの吸着を高めることが発見され、アイシン・コスモス研究所では効率的に鉱石からレアアースを採取する手法が開発されました。サケの白子は秋のシーズンになると鍋物や汁物の材料として店頭に並び、手頃な価格で購入できますが、近年の漁獲量の減少により価格は上昇しています。

タラの白子

タラの白子は特定の呼び名で区別され、スケソウダラの白子は助子（すけこ）、マダラの白子は真子（まこ）と呼ばれています。他にも地方名があり、例えば北海道では「タチ」や「タツ」と名付けられています。タラの白子は特徴的なうねった形状をしているため、他の魚の卵巣とは一線を画す存在です。歴史的にも、『親元日記』に霊的な意味合いを持つ食材として言及されており、伝統的な文化にも深く根ざしています。焼き物や天ぷら、味噌汁、鍋の具材として広く利用され、最近では海外からの輸入も増えています。

イカの白子

イカの白子は数が少なく珍重され、高級料亭などで珍味として提供されることが多いです。一般的にはポン酢や酢味噌に漬け込んだり、つみれに加工して料理に活用されることがあります。

料理法

白子は、そのままでも調理されますが、ポン酢や天ぷら、鍋物、吸い物、味噌汁など多岐にわたる調理法があり、それぞれの料理に風味を加える重要な材料として利用されています。白子を取り入れることで、料理はさらに一層美味しさを増します。

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