タラ

タラ（鱈、大口魚、鰔）

タラは、北半球の寒冷な海に生息する肉食性の底生魚で、タラ目タラ科に分類される魚の総称です。この魚たちは特に冷たい海域に多く見られ、重要な水産資源としての役割を果たしています。日本近海では、特に北日本沿岸にマダラ、スケトウダラ、コマイの3種が生息しています。タラを指す際、通常はマダラ（Gadus macrocephalus）のことを指します。

生態

タラ類は主に寒帯や亜寒帯の海域で生息し、彼らの多くは水深200メートル以上の海底近くに生息する深海魚です。季節ごとに生息の深度を変え、大きな群れを形成して大規模に回遊する種も見受けられます。彼らの体色は灰色や褐色で、これにより水底に良く溶け込む保護色となっています。食性は肉食であり、多毛類や貝類、頭足類といった無脊椎動物、さらには他の魚類も捕食します。

産卵は冬から早春にかけて行われ、卵は海底に沈む性質があります。産卵数は数十万から数百万個と非常に多く、一度にたくさんの卵を産むことで知られています。しかし、親魚は卵や仔魚を保護しないため、生存率は低いと考えられています。

形態

タラ亜科の特徴として、背鰭が3つ、臀鰭が2つに分かれる点が挙げられます。また、大きな口と下顎にひげを持つ種類が多く、全長は数十センチから2メートルに達する大型の個体も存在します。第1背鰭は頭部より後方に位置し、全ての鰭には棘条がなく、腹鰭は胸鰭よりも前方にあります。

人間との関わり

鱈はほとんどの種が重要な水産資源として漁獲され、底引き網や延縄、釣りなどで捕まえられています。肉質は脂肪が少なく柔らかい白身で、日本では鍋料理や干物、焼き魚など多様な料理に利用されます。また、スケトウダラの卵巣やマダラの精巣、胃、舌も食材として重宝されています。

韓国ではタラの内臓を唐辛子漬けにした塩辛が好まれ、日本では「チャンジャ」として親しまれています。近年、日本でも多くの人々に食べられるようになり、居酒屋メニューにも登場するほどです。

また、タラの肉は鮮度が落ちやすいため、刺身などで食べる際は特別な処理がなされることがあります。干し鱈（バカラオ）は特にヨーロッパや中南米で人気であり、水に戻して調理されることが多いのです。

文化

日本語では「鱈」と書かれるこの魚は、身が雪のように白いことから名付けられた和製漢字です。江戸時代には、腹を割かずに内臓を取り出した塩蔵品が「新鱈」と称され、正月料理として珍重されていました。また、「たらふく」という言葉は、この魚の貪欲さから生まれたとも言われています。

タラ亜科には11属23種が含まれ、北大西洋を中心に生息しています。特に、マダラやスケトウダラは fisheries において重要な資源です。

もう一度検索