白川静

白川 静 (しらかわ しずか) の生涯と業績

白川静は、1910年4月9日に福井県福井市で生まれ、2006年10月30日に逝去した、日本の著名な漢文学者および東洋学者です。京都大学から文学博士の学位を取得し、立命館大学にて名誉[[教授]]として長年教鞭を執りました。彼の研究及び教育への献身は、日本の漢字学と文学研究において重要な地位を占めることとなり、特に古代漢字研究の第一人者として広く認知されています。

学歴と職歴

白川は1923年に地元の小学校を卒業後、大阪市に移り住み、弁護士の事務所で働きながら商業学校に通いました。この間、広瀬徳蔵の蔵書に触れることで漢籍に親しみ、独自に学問を深めていきました。1936年には立命館大学専門部国漢科を卒業し、その後同大学で教員としてのキャリアを開始しました。1941年には法文学部漢文学課に入学、長い教員生活を経て、1954年からは文学部の教授を務めました。1962年には、京都大学にて博士論文「興の研究」を提出し、文学博士号を得ました。定年退職後も特別任用教授として教壇に立ち続け、1981年には名誉[[教授]]の称号を受けています。

晩年には、自己の著作料を大学に寄付し、立命館大学に「白川静記念東洋文字文化研究所」が設立されるなど、その影響力は計り知れません。

主要な研究業績

白川は、古代漢字研究において多くの業績を残しました。特に、彼の著作『字統』（1984年）、『字訓』（1987年）、『字通』（1996年）から成る字書三部作は、彼のライフワークと称される重要な成果です。また、彼は「漢文世代の最後の碩学」とも称されています。20世紀末には、全12巻からなる『白川静著作集』や、広い読者を対象とした漢字辞典『常用字解』など、数多くの著作が発表されました。

講話と社会貢献

白川は、地域社会への貢献にも力を入れ、1999年から2004年にかけて年に4回のペースで「文字講話」を行うなど、多くの市民に向けた講演を行いました。これらの講話は、『白川静 文字講話』としてまとめられ、続編が望まれるなど、多くの支持を得ました。

人柄と趣味

白川静は、その学問の重厚さから厳格な印象を持たれていたこともありましたが、実際は非常に親しみやすい人物であり、若者との会話を大事にしました。学生や後輩からも慕われ、特に囲碁に関しては相当な腕前を誇り、若い頃にはプロから指導を受けたこともあったようです。また、趣味として登山を楽しんでおり、病弱な体を鍛えるための方法としました。晩年の健康状態にも気配りが見られ、ニンテンドーDSで囲碁や将棋を楽しむ姿もありました。

批判と評価

一方、彼の研究には批判もあります。特に、甲骨文解釈に関しては、一部学者が牽強付会とする意見もあります。しかし、それでも彼の研究が日本における[[漢字]]研究や文化的な理解を深めたことは間違いありません。

遺産

彼の死後も影響は続き、『白川静 文庫』として彼の蔵書や直筆の原稿が収蔵され、様々な展示やイベントが行われています。生誕100年を記念した特別展示も開催され、彼の業績と人柄は多くの人に親しまれ続けています。白川静の生涯と業績は、今もなお多くの研究者や一般の人々にインスピレーションを与えています。

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