白河バイパス

白河バイパスと豊地工区：福島県白河市の交通を円滑にする動脈

白河バイパスは、福島県白河市内を通過する国道294号のバイパスとして、市街地の交通円滑化と安全確保に大きく貢献しています。ここでは、白河バイパスの概要から、接続する豊地工区、詳細な路線データ、構造物、歴史、地理、そして地域への貢献について詳しく解説します。

白河バイパスの概要

白河市中心部を通過する国道294号は、旧奥州街道の面影を残し、道幅が狭く、歩道も十分に確保されていない箇所が多く存在していました。そのため、交通安全上の問題や、国道4号との交差点における慢性的な渋滞が課題となっていました。これらの課題を解決するために、1995年度に事業化されたのが白河バイパスです。

2023年2月4日に全線開通したこのバイパスは、国道289号交点から国道294号と福島県道11号白河石川線が交差する四ツ辻交差点までの区間（白河バイパス工区）と、四ツ辻交差点から薄葉交差点までの国道4号重複区間を解消する区間（白河バイパス北工区）で構成されています。バイパスの開通により、市街地の交通安全確保、国道4号周辺の渋滞緩和、白河厚生総合病院へのアクセス改善、災害対策、観光地へのアクセス改善など、多岐にわたる効果が期待されています。

当初は全線4車線で計画されていましたが、将来の交通量減少を見込み、全線2車線に変更されました。また、国道289号交差点と国道4号交差点における立体交差の計画が平面交差に変更され、小峰城跡の回避と現道活用に伴い円明寺トンネルの計画が廃止されました。

路線データ

起点：福島県白河市東大沼（国道289号交点）
終点：福島県白河市薄葉（国道4号交点〈薄葉交差点〉）
全長：4.120 km
標準幅員：15.000 m
車道幅員：8.000 m
車線幅員：3.250 m
自転車歩行者道幅員：両側3.500 m
車線数：2車線

主要構造物

南湖トンネル：全長474 m
円明寺橋：全長20.6 m、幅員13.0（30.0）m。阿武隈川水系谷津田川を渡る橋梁で、上下線両側に幅6.0 mの歩道が設置されています。
JR東北本線跨道橋：30 m
小峰大橋：全長192 m。阿武隈川を渡る橋梁です。

歴史

1995年度：事業採択
2009年3月：白河都市計画マスタープラン策定
2013年度：馬町工区一部開通
2014年：白河バイパス整備チーム発足
2019年12月：南湖トンネル掘削開始
2020年：南湖トンネル・小峰大橋の名称決定
2020年12月18日：小峰大橋上部工完成
2021年1月20日：南湖トンネル貫通
2021年12月17日：一部区間部分開通
2022年3月6日：一部区間部分開通
2023年2月4日：全線開通

地理

交差する道路：国道289号、都市計画道路西郷搦手線、国道294号現道・福島県道11号白河石川線、国道4号・国道294号現道
沿線：丹羽長重霊廟

豊地工区

豊地工区は、白河バイパス北側に隣接する改良区間です。東北自動車道白河中央スマートIC北側に造成された工業団地へのアクセス改善を目的として、現道の拡幅事業が行われました。2011年度に事業化され、東北自動車道ボックスカルバートの建設や大谷地橋の架替が行われました。

起点：白河市豊地
終点：白河市豊地
全長：1.8 km
* 車道幅員：6.5 m

白河バイパスと豊地工区は、白河市の交通ネットワークを強化し、地域経済の発展と住民の生活の質向上に貢献しています。

もう一度検索