白神社

白神社（しらかみしゃ）

白神社は、広島市中区にある神社で、地域住民から「しらかみさん」と呼ばれ、親しまれています。この神社は、広島の歴史の中で重要な存在といえる旧郷社で、豊かな信仰と地域文化が息づいています。

歴史的背景

白神社が位置する中町一帯は、かつて海に囲まれており、現在の神社の位置も海面から突き出た岩礁でした。船の航行において、頻繁に海難事故が発生していたため、当時、船人たちはこの岩礁に白い紙を立てて目印とし、事故を未然に防ぐための役割を果たしました。

その後、三角州の発達や干拓工事により、岩礁は徐々に地上に顔を出しましたが、船の安全を守った白い紙の守り神の象徴として、当地に祠が設けられました。この祠は「白神」と名付けられ、地元の人々の信仰を集める存在となりました。しかし、詳しい創建時期についての記録は残っていないため、不明です。

時を経るごとに、祠は成長を遂げ、1591年には毛利輝元によって新たな社殿が建設されました。この社殿は広島城の城主が信仰する氏神として重要視され、さらに広大な境内を有する神社へと発展していきました。

原爆の影響

白神社の歴史の中で、最も悲劇的な出来事は1945年8月6日の原爆投下です。当神社は爆心地から約600メートルの位置にあり、重要な書類を地下に保管していた以外は、建物は完全に焼失しました。しかし、同年の10月には祭祀を行うための仮社殿が設けられ、10年後には再建作業が進められ、現在の社殿は1963年に完成したものです。

祭神

白神社では、菊理媛神・伊弉諾尊・伊弉冉尊を主祭神として祀っており、相殿には天御中主尊や天照大神なども祀られています。

文化財と交通

この神社の境内には、広島市指定の文化財である「白神社の岩礁」が存在し、ここは史跡及び天然記念物に指定されています。また、近隣には旧国泰寺愛宕池も史跡として指定されています。

白神社へのアクセスは非常に便利で、南側の平和大通り沿いには「白神社前」というバス停があります。広電バスや広島バスのエキまちループがこのバス停に停車し、周辺には他にも多くの公共交通機関が整備されています。

白神社は、地域の歴史や文化を支える大切な場所であり、訪れる人々に深い感銘を与える存在です。神社の石や木々は、広島の自然と歴史を物語り、訪れる度に新たな発見をもたらしてくれます。

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