白馬大雪渓

白馬大雪渓について

白馬大雪渓は、長野県北安曇郡白馬村に位置する、日本三大雪渓の一つに数えられる雪渓です。白馬岳（標高2,932m）と杓子岳（標高2,812m）の間の谷間に位置し、その雄大な景観は多くの登山者や観光客を魅了しています。

概要

白馬大雪渓は、全長約3.5km、標高差約600mと、日本国内でも最大級の規模を誇ります。登山口である猿倉から白馬大雪渓までは、整備された遊歩道が続いており、約1時間半ほどで大雪渓ケルンに到着できます。このため、比較的容易に雪渓の雄大な景色を楽しむことができます。

大雪渓の末端には白馬尻小屋があり、登山者の休憩場所として利用されています。この山小屋は、雪崩による被害を避けるため、毎年営業終了後の秋には解体され、翌年の春に再び組み立てられるという特徴的な構造をしています。

大雪渓の中盤から上部は傾斜が急になり、本格的な登山コースとなります。雪上には、登山道を示す赤い粉がまかれており、これを目印に進むことができます。大雪渓ケルンを過ぎると、右手には氷河遺跡や3号雪渓、2号雪渓といった雪渓群を見ることができます。

周辺は高山植物の宝庫でもあり、コバイケイソウ、キヌガサソウ、ニリンソウなど、様々な種類の高山植物が自生しています。特に夏には、雪渓の残雪と高山植物のコントラストが美しく、多くの登山者や写真愛好家を魅了しています。

通行止めについて

白馬大雪渓は、例年にない少雪や猛暑などの影響で雪解けが進み、クレバスや崩壊が発生することがあります。登山者の安全を確保するため、このような場合には通行止め措置が取られることがあります。近年では、2016年、2020年、2023年に通行止めが実施されています。通行止めとなった場合は、長野県が代替ルートとして、栂池ルートや白馬鑓温泉ルートを案内しています。

登山時の注意点

白馬大雪渓は、夏でも雪が残るため、天候や雪の状態に注意が必要です。雪渓を歩く際には、滑り止め付きの登山靴やアイゼンなどの装備が必要です。また、紫外線対策や防寒対策も忘れずに行うようにしましょう。登山前には、必ず最新の情報を確認し、安全な登山を心がけてください。

周辺情報

白馬大雪渓周辺には、白馬岳をはじめとする北アルプスの山々が連なっています。また、猿倉荘や白馬尻小屋など、登山者のための施設も充実しています。登山後には、白馬村の温泉で汗を流し、旅の疲れを癒すことができます。

参考情報

参考文献
金子博文『北アルプス山小屋案内』山と溪谷社、1987年6月。
関連項目
日本三大雪渓
白馬岳
杓子岳
猿倉荘
白馬尻小屋
外部リンク
白馬村公式HP
白馬大雪渓トレッキング（旅ネット信州）
国土地理院地形図

白馬大雪渓は、その雄大な自然景観と高山植物の美しさから、多くの登山者に愛されています。訪れる際には、十分な準備をして、安全に楽しんでください。

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