白鳥省吾

白鳥省吾（しらとり せいご）

白鳥省吾は、1890年2月27日生まれで、1973年8月27日に亡くなった著名な日本の詩人であり、文人です。その作品は、主に民衆の内面を描写しており、《民衆派詩人》と称されています。特に、代表作であるヒット曲《星影のワルツ》の作詞を手掛けた白鳥園枝は、彼の二女という親子の関係も注目されています。

人物像

白鳥の詩作品は、社会の底辺にいる人々の心情を深く見つめ、共感を呼び起こすものです。彼はまた、アメリカの詩人ウォルト・ホイットマンの作品を翻訳することで、国際的な視点も取り入れています。彼が詩を書き始めたのは旧制宮城県立築館中学校時代であり、やがて早稲田大学に進学します。在学中に詩集《世界の一人》を自費出版し、このことがきっかけで文壇にデビューを果たします。初期の著作は高く評価され、彼の名声を広める要因となりました。

卒業後は、詩人として多くの雑誌の編集者を務めながら、詩人団体《詩話会》に関与し、数多くの詩集に貢献しました。彼が携わった詩集《日本社会詩人詩集》や《泰西社会詩人詩集》は、民衆を詠った作品が多く、彼ならではの世界観を表現しています。特に、反戦詩として名を馳せた《殺戮の殿堂》は、日本の戦争観を問い直す重要な作品とされています。

晩年と功績

晩年は千葉県に移住し、和洋女子大学で長年教授として教鞭を執り続けました。彼は、校歌の作詞家としても広く知られ、日本各地の学校の校歌を手掛けるなど、多岐にわたる活動を展開しました。作詞した校歌の数は、100校を超えます。

また、著作も豊富で、詩集や評論集、エッセイといった多様なジャンルで執筆しました。その功績として、千葉県から文化功労者として認定され、築館町名誉町民に選ばれるなどの栄誉も受けています。さらに1968年には勲四等瑞宝章を授与され、1973年に亡くなるまで、彼の影響は多くの人々に及びました。

作品としては、著名な校歌だけでなく、短歌や詩も多数残しており、全国各地には彼の詩が刻まれた文学碑も数多く存在します。白鳥省吾は、日本の詩の発展に大きく貢献した人物であり、その影響は今も感じられています。

経歴

• - 1890年: 宮城県北部栗原郡築館町に生まれる。
• - 1902年: 宮城県立築館中学校に入学し、1907年に卒業。
• - 1909年: 早稲田大学に入学し、1913年に文学科英文学科を卒業。
• - 1914年: 第一詩集《世界の一人》を自費出版。
• - 1918年: 詩「殺戮の殿堂」を発表。
• - 1919年: 『日本詩集』の編集委員に就任。
• - 1920年: 『日本詩人』の編集委員に就任。
• - 1926年: 大地社を設立し、詩誌『地上楽園』を発表。
• - 1960年: 日本詩人連盟会長に就任し、その後も文化活動を続ける。
• - 1973年: 食道ガンにより亡くなる。戒名は詩星院松風暁悟居士。

白鳥省吾の業績は、詩人としてだけでなく、文化人としても多くの人々に影響を与え続けています。

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