益川満育

益川 満育（ますかわ まいく）氏は、1950年10月19日に大阪府大阪市西成区で生まれ、2022年4月10日にその生涯を終えた元プロ野球選手です。本名は「満育」と書いて「みつよし」と読みますが、選手としては「マイク」の愛称で親しまれました。

高校野球での輝き

地元の強豪、興國高校に進学した益川氏は、外野手と控え投手として活躍しました。高校3年時の1968年には、春夏の甲子園大会に連続出場。春の選抜では、1回戦で仙台育英高校に9回サヨナラ負けを喫しましたが、この試合でエース丸山朗投手をリリーフし、甲子園での初登板を果たしています。夏の選手権大会では、丸山投手が3試合連続完封という圧巻の投球を見せるなどチームを牽引し、決勝に進出。新浦寿夫投手を擁する静岡商業高校との激戦を制し、見事、全国制覇を達成しました。この大会中、益川氏自身も安打を放つなど、チームの勝利に貢献しています。また、準決勝の興南高校戦では、大量リードを背景に再び丸山投手のリリーフとして登板し、春夏両方の甲子園のマウンドを経験しました。当時のチームメイトには、丸山投手のほか、外野手の山田敏彦氏、1年下には後にプロに進む一塁手の岡本一光氏などがいました。

社会人野球を経てプロへ

高校卒業後、近畿大学に進学しましたが、後に中退。社会人野球の日本熱学に入団し、ここでも外野手としてプレーを続けました。

プロ野球への扉が開かれたのは1971年。同年のドラフト会議で、ヤクルトアトムズから4位指名を受け、プロ入りの夢を叶えました。プロ入りを機に内野手へと転向し、主に三塁手や遊撃手として起用されることになります。

プロ野球でのキャリア

ヤクルトでは、主に二軍で実力を磨きました。1973年と1974年には、イースタン・リーグで三塁手としてベストナインに連続して選出されるなど、その打撃力は評価されていました。また、1974年にはジュニアオールスターにも出場しています。

1975年には一軍に定着し、遊撃手のレギュラーポジションを永尾泰憲氏と争いました。この年は57試合に先発出場し、プロ入り後初となる2本塁打も記録するなど、飛躍の年となりました。しかし、翌1976年には水谷新太郎氏や渡辺進氏といった若手選手の台頭により、出場機会が激減します。当時の監督であった広岡達朗氏からは当初期待されていたものの、私生活での夜遊びなどが原因で野球に対する姿勢がおろそかになった、と後に八重樫幸雄氏が語っています。

1976年オフ、益川氏は伊勢孝夫氏との交換トレードで、パ・リーグの近鉄バファローズに移籍しました。近鉄には2年間在籍しましたが、目立った活躍はできず、1978年オフに自由契約選手となりました。

翌1979年は西武ライオンズに移籍しましたが、出場機会は限られ、わずか5試合の出場にとどまりました。そして、同年限りで現役を引退することになります。

守備への課題と引退

プロ野球選手としては、守備力に大きな課題があったことが知られています。特に印象的なのが、西武球場が新設されこけら落としとなった1979年4月14日の日本ハムファイターズ戦です。益川氏は九番・遊撃手としてスタメン出場しましたが、試合序盤から守備でエラーを連発。結局、この試合が益川氏にとってプロとして最後の一軍公式戦出場となってしまいました。

記録

初出場：1973年6月3日、対広島東洋カープ7回戦（広島市民球場）、8回表に山下慶徳の代走として
初先発出場：1974年5月8日、対大洋ホエールズ10回戦（川崎球場）、8番・三塁手として先発出場
初安打・初打点：1974年5月14日、対中日ドラゴンズ5回戦（中日スタヂアム）、4回表に稲葉光雄から
初本塁打：1974年7月3日、対中日ドラゴンズ10回戦（明治神宮野球場）、9回裏に星野仙一からソロ

背番号

48（1972年 - 1975年）
42（1976年）
30（1977年 - 1978年）
46（1979年）

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