盛本昌広

盛本昌広（もりもと まさひろ）は、1958年に生まれた日本の歴史学者であり、日本中世史および近世史を専門としています。神奈川県横浜市で生まれ、慶應義塾大学文学部を卒業後、東京都立大学（現在の首都大学東京）大学院修士課程を修了しました。2000年には、「日本中世の贈与と負担」と題する研究で中央大学から博士（史学）の学位を取得しています。

盛本氏の研究は、中世日本の社会構造や文化、戦国時代の軍事戦略など、多岐にわたるテーマを扱っています。特に、中世の贈与と負担の関係性、戦国時代の合戦における軍需物資の重要性、中世の都市や流通、資源管理などに焦点を当てています。

著作活動も活発で、その研究成果は多数の書籍として刊行されています。主な著書として、『日本中世の贈与と負担』(校倉書房、1997年)、『松平家忠日記』(角川選書、1999年、後に『家康家臣の戦と日常　松平家忠日記をよむ』として角川ソフィア文庫から再刊、2022年)、『軍需物資から見た戦国合戦』(洋泉社新書y、2008年、後に吉川弘文館「読みなおす日本史」として再刊、2020年)、『贈答と宴会の中世』(吉川弘文館、2008年)、『中近世の山野河海と資源管理』(岩田書院、2009年)、『戦国合戦の舞台裏 兵士たちの出陣から退陣まで』(洋泉社歴史新書y、2010年、2016年に増補新版刊行)、『中世南関東の港湾都市と流通 地域の中世』(岩田書院、2010年)、『草と木が語る日本の中世』(岩波書店、2012年)、『境界争いと戦国諜報戦』(洋泉社歴史新書y、2014年、後に吉川弘文館「読みなおす日本史」として再刊、2021年)、『本能寺の変 史実の再検証』(東京堂出版、2016年)、『鎌倉武士と横浜　市域と周辺の荘園・郷村・寺社』(有隣堂、2021年)などがあります。

これらの著書を通じて、盛本氏は、中世日本の社会経済構造や文化、戦国時代の軍事戦略などを多角的に分析し、新たな視点を提供しています。また、『松平家忠日記』の読解を通じて、戦国時代の武士の日常生活や合戦の実態を詳細に解明するなど、史料に基づいた実証的な研究を展開しています。

さらに、共編者として、網野善彦の著作集(岩波書店、2007‐09年)や『戰國遺文 房総編』(東京堂出版、2010‐2013年)などの編集にも携わっており、日本中世史研究の発展に大きく貢献しています。盛本氏の研究は、歴史学の分野において、重要な位置を占めています。

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