盛隆寺 (岡山市)

盛隆寺（じょうりゅうじ）

盛隆寺は、岡山県岡山市南区妹尾に位置する日蓮宗の寺院で、山号を啓運山と称します。旧本山は小湊誕生寺であり、地域の信仰が非常に厚いことで知られ、「妹尾千軒皆法華」という言葉が示すように、多くの信者がこの寺に足を運んでいます。

歴史

盛隆寺の歴史は慶長10年（1605年）にまでさかのぼります。この年、信城院殿日友尊尼が娘の菩提を弔うため、開山に城国院日鳳を招いて創建しました。同時期に、庭瀬には不変院が建てられました。盛隆寺の成立は、ここから地域の信仰に根ざした活動が始まったことを意味しています。

伽藍

盛隆寺には、いくつかの重要な建物が存在します。

• - 本堂：1782年に建立されたこの堂宇は、寺院の中心的な施設です。
• - 仁王門：1762年に改築され、堂々たる姿を見せています。
• - 三十番神堂、観音堂、七面堂、稲荷堂、鐘楼堂と、様々な神殿や堂宇が境内に点在しています。また、庭瀬藩主だった戸川達安とその一族の墓所も設けられています。

このほか、盛隆寺は複数の塔頭を有しています。例えば、啓運山智応院は寛永年間に善明院日忍の開山によって創建され、啓運山善立院は元和3年（1617年）に真言宗から日蓮宗に改宗されて設立されました。

他にも、浄園院や観行院など、地域に根ざした歴史を持つ塔頭が存在します。特に浄園院は、もともとは岡山大供に設立された不受不施派の寺院が起源となっており、その後にさまざまな変遷を経て現在の位置に再移転されました。安祥院は、寛永年間に尾崎伝右衛門の妻を開基とし、歴史を重んじながら信者に支えられています。

周辺施設

盛隆寺の周辺には、御前神社や戸川陣屋井戸といった関連する施設もあり、地域の文化や信仰が息づいています。これらの施設は、盛隆寺と共に長い歴史を持ち、訪れる人々に深い感動を与えています。

参考文献

この寺院の詳細については、以下の関連資料が存在します。

• - 『吉備の国寺社巡り』山陽新聞社（2011年、16‐17頁）
• - 『神社仏閣を巡る まいられぇ岡山』山陽新聞社（2017年版、24頁）
• - 日蓮宗寺院大鑑編集委員会『宗祖第七百遠忌記念出版 日蓮宗寺院大鑑』大本山池上本門寺 (1981年)
• - 柳生尚志『盛隆寺の宝物』盛隆寺（2004年）
• - 川端定佐三郎『岡山･備前地域の寺』日本文教出版、岡山文庫195（1998年）

盛隆寺は、歴史的な価値と深い地域の信仰を持つ貴重な寺院です。訪れることで、過去と現在が交錯する貴重な体験が得られることでしょう。

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