盤寿

盤寿（ばんじゅ）と将棋の歴史

盤寿とは、数え年で81歳のことです。将棋盤のマス目が9×9＝81であることから、この年齢を盤寿と呼びます。81歳という年齢は、人生の大きな節目を意味するだけでなく、将棋界においても特別な意味を持ちます。

盤寿を迎えた棋士

近代将棋において、現役で盤寿を迎えた棋士はいません。2021年時点での現役最年長棋士は加藤一二三九段で、数え年78歳（満77歳6ヶ月）でした。丸田祐三九段も数え年78歳まで現役を続けましたが、引退時の年齢は満77歳0ヶ月でした。

一方、囲碁界では橋本宇太郎、杉内雅男といった棋士が数え年81歳を現役で迎えており、将棋と囲碁の棋士寿命の違いが見て取れます。

近代将棋以前には、小野五平十二世名人が盤寿の時点で名人位にありました。当時、名人は生涯名人のため、87歳で公式棋譜が残る対局が行われています。対戦相手は関根金次郎十三世名人予定者で、小野名人が勝利しています。

実力制最初の名人である木村義雄十四世名人は、盤寿の翌年、満81歳の将棋の日（11月17日）に亡くなっています。

これらの事実から、盤寿は棋士にとって非常に稀有な年齢であり、長寿を全うすることの難しさを示唆していると言えるでしょう。

81歳に因む出来事：日本将棋連盟創立81周年記念事業

2005年には、日本将棋連盟創立81周年を記念した様々な事業が行われました。その一つとして、通常とは異なる様式の記念免状が一般のアマチュア向けに発行されました。通常の免状と同様の価格で発行されたこの特別免状は、通常は連盟会長、竜王、名人の銘が入るところ、タイトル保持者、永世称号保持者、1000勝棋士の中から選択できるという特別な仕様になっていました。

この事業は、将棋界の歴史を振り返り、未来への発展を願う象徴的な出来事であったと言えるでしょう。盤寿という年齢と、将棋連盟の歴史が交差する、興味深いエピソードです。

まとめ

盤寿は、将棋盤の升目の数に由来する数え年81歳を指す言葉です。将棋界においては、現役で盤寿を迎えた棋士はまだ存在せず、その稀少性を物語っています。一方で、囲碁界では盤寿を現役で迎えた棋士がおり、両者の違いも興味深い点です。盤寿にまつわる歴史的事実や、日本将棋連盟の創立81周年記念事業などを通して、将棋界の歴史と文化の一端に触れることができました。 盤寿という年齢が、将棋界の長寿と歴史、そして棋士たちの功績を象徴する特別な数字であることが改めて分かります。将棋界における長寿と伝統、そして未来への展望を考える上で、盤寿という概念は重要な意味を持っています。

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