盧秀燕

盧秀燕（ルゥ・ショウイェン）

盧秀燕（1961年8月31日 - ）は、中華民国の政治家であり、中国国民党に所属しています。外省人であり、現在は台中市長を務めています。

経歴

国立政治大学社会学部地政学科を卒業後、淡江大学国際事務戦略研究所で修士号を取得しました。ジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、中華電視公司で金鐘奨を受賞。その後、気象キャスターとして知名度を高めました。台中市議会議員の廖述嘉氏との結婚を機に政界入りし、1994年に台湾省議会議員に初当選。その後、立法委員を6期務めました。2018年の統一地方選挙では、台中市長選で現職の林佳龍氏を破り、国民党初の女性直轄市市長となりました。

立法委員時代

台湾人元慰安婦問題

盧氏は、日本統治時代の台湾における慰安婦問題について、韓国人の主張とは異なり、台湾人元慰安婦の中には「自発的だった」という声があることを指摘しました。そして、このことが日本政府が問題に向き合わない口実になっていると述べ、日本に賠償と謝罪を求めるには、台湾の慰安婦が強制的に動員されたと明確に説明する必要があると主張しました。

東日本大震災被災地の食品輸入反対

2016年、盧氏は東日本大震災の被災地やその周辺の全食品の輸入に反対する署名活動を行いました。震災時に台湾が多額の義援金を日本に送ったことを挙げ、日本政府が経済的利益のために台湾人の健康を害すべきではないと述べました。

台中市長（2018年～）

両岸関係

# 九二共識の支持

盧氏は、市長当選後、「九二共識」を「不統・不独・不武」であり、両岸の経済発展のための合意だと解釈しました。また、他の国民党系市長が両岸関係のワークグループ設置を表明する中、台中市では常設せず、花博のマーケティングのための小グループを優先し、中国からの観光客誘致を重視する方針を示しました。

# 自由貿易経済特区条例草案の支持

2019年、国民党が立法院に提出した「自由貿易経済特区条例」草案を支持する声明を発表しました。しかし、この条例が中国製品の加工貿易を念頭に置いているため、中国製品の産地偽装を助長するとの批判が出ました。蔡英文総統は、台湾製品と中国製品の境界を曖昧にすることはできないと牽制しました。

# 中国和平統一促進会デモ騒動

2019年、中国和平統一促進会が台中市内で開催を予定していたデモについて、そのテーマが「台湾における一国二制度の方案を模索する」であり、講演者に「台湾の武力統一」を主張する人物が予定されていたため、合法性を疑問視する声が上がりました。盧氏は、集会デモ法に基づきデモを許可したと説明しましたが、その後、講演者の入国許可が取り消され、デモは中止となりました。盧氏は言論の自由と集会・デモの自由は保障されるべきであるとの見解を示しました。

台中フローラ世界博覧会の入場無料化

2019年、盧氏は台中フローラ世界博覧会の12歳以下の入場を無料化し、台中市民の無料入場を無制限に変更しました。しかし、この決定は国際園芸家協会（AIPH）の政策に反すると指摘され、権利金未払い問題も発生しました。最終的にAIPHと合意に至りましたが、花博カードの活用については否定的な見解を示しました。

老人健保の補助対象拡大

盧氏は、前市長が縮小した老人健保の保険料補助対象を、自身の公約に基づき所得税率5%以下の高齢者まで拡大しました。

台中ショッピングフェスティバルの開催

2019年、消費刺激策として台中ショッピングフェスティバルを開催しました。高額賞品を用意しましたが、前回の同様のイベントで賞品を拒否した事例を踏まえ、今回は税金は市が負担すると説明しました。

タピオカミルクティーフェスティバルの開催

前市長が始めた「アフタヌーンティーフェスティバル」を「タピオカミルクティーフェスティバル」に改称し、開催しました。人気投票ではタピオカミルクティー以外のドリンクが選ばれるという珍事がありました。

環境政策

就任時、「市民が新鮮な空気を吸えるようにする」と述べ、谷関の空気入り瓶を配布しましたが、その製造過程に疑惑が生じました。

交通政策

# 台中市市区公車

市内バスの運賃を大幅に値下げする政策を打ち出しました。無料乗車を台中市民に限定する計画は中止となりました。

# 鉄道

前市長が推進していた「大台中山手線構想」について、市の負担割合が高すぎるとして白紙撤回しました。その後、前市長が交通部長に転身したため、中央政府の全額補助を要求する姿勢に転じました。

紙風車劇団の公演中止騒動

児童劇団の公演について、市が協力を拒否したとして公演が中止となりました。盧氏はサービス不足を謝罪しましたが、劇団側は予定通り公演を見送ることを決定しました。この騒動後、デマがインターネット上で拡散されました。

印紙税廃止反対

印紙税法の廃止に反対する声明を発表しました。過去に自身が印紙税の廃止案を提出していたことを指摘されると、「台中は財政難であり、税収に見合った補助があれば廃止に賛成する」と述べました。

市政評価

市長就任後、各種世論調査で満足度が低い結果が出ています。インターネット上では、調査結果が過去のデータに基づいているというデマが拡散されました。

親族

妹は中天電視のニュースキャスター盧秀芳、夫は元台中市議会議員の廖述嘉、義父は元台湾省議会議員の廖継魯です。

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