目屋ダム

目屋ダムについて

目屋ダム（めやダム）は、青森県中津軽郡西目屋村にあった重力式コンクリートダムであり、岩木川本流上流部に位置していました。国土交通省東北地方整備局の前身である建設省東北地方建設局によって施工され、青森県が管理しました。このダムの高さは58メートルで、岩木川の治水と水力発電を目的とした多目的ダムでありました。特に、1950年からの岩木川改修事業の一環として重要視されました。ダムは様々な目的を果たし、多くの地域住民に貢献していましたが、津軽ダムの建設に伴い2016年に水没し、その役割を終えました。

ダムの目的と目的の果たし方

目屋ダムの主な目的は、洪水調節、不特定利水、そして水力発電の3つです。洪水調節に関しては、津軽平野における1935年の水害を基準として、ダム地点における計画高水流量を毎秒500立方メートルに設定し、そのうち毎秒450立方メートルを貯水する設計でした。これにより岩木川河口部の流量が抑制され、流域の水害被害の軽減が図られました。

また、不特定利水に関しては、津軽平野に広がる農地に対して、必要な農用水を供給することにより、農業の発展にも寄与しました。水力発電については、岩木川第一発電所が設置され、年間の電力需要に応える役割を果たしました。目屋ダムは、多様な機能を持つダムとして、地域の発展に大いに貢献していたのです。

建設の経緯と地域住民の反応

ダム建設は、周辺地域に住む大勢の住民に影響を及ぼしました。特に砂子瀬集落と川原平集落では、約83戸が水没し、そのため住民たちは移転を余儀なくされました。この移転は当然住民の生活に大きな影響を与えるもので、地元では強い反対運動が巻き起こりました。住民たちは補償問題を解決するために、建設省との交渉を続け、6年かけてようやく補償基準に合意しました。この経緯は、地域コミュニティにおけるさまざまな挑戦がいかに複雑であったかを如実に示しています。

津軽ダムとの関係

目屋ダムはその後、津軽ダムの建設計画に直面しました。津軽ダムは目屋ダムを補完するかたちで設計され、より大規模な人造湖である津軽白神湖が誕生しました。津軽ダムの完成に伴い、目屋ダムはその役割を終えて水没しましたが、これにより新たなダムによる治水や利水の可能性が広がったことは大きな意義を持っています。

美山湖の誕生

目屋ダムの建設によって形成された人造湖は「美山湖」と名付けられ、その美しい景色は多くの人々に親しまれていました。美山湖は青森県最大の人造湖として知られ、地域の観光名所となりましたが、津軽ダムの建設に尽くして、その役目を終えました。最終的には、美山湖は地域の自然と人々の歴史的一部として存在し続けることとなりました。

結論

目屋ダムは、岩木川流域の治水や農業の発展に寄与した重要なインフラでしたが、時代の変化と新たな必要性の中でその機能を終え、新たなダム建設へとつながっていきました。これにより、地域住民の生活の質を向上させ、さらなる水資源の管理が実現されることが期待されています。

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