目黒孝平

目黒 孝平（めぐろ こうへい）

明治10年（1877年）3月2日、新潟県魚沼郡、のちに北魚沼郡須原村となった地域（現在の魚沼市須原）に生まれた。号は皆水。父である目黒徳松もまた衆議院議員を務めた人物であり、地域有数の大地主であった家系の長男として育つ。

学問を修めるため上京し、慶應義塾で学んだ後、同志社にて政治経済学を専攻した。時代の潮流を学び、郷里の発展に貢献する志を抱いたとされる。

学業を終え帰郷すると、明治32年（1899年）12月に家督を相続した。郷里のために尽力することを決意し、北魚沼郡須原村の村政に参画。村長に二度選出され、その任にあたった。村長在任中は、地域のインフラ整備など公共事業の推進に積極的であり、自身の私財を投じることも厭わなかった。この献身的な姿勢は住民からの厚い信頼を得るに至った。

政治活動と並行して、実業家としても多角的な活動を展開した。日本赤十字社の特別社員として社会貢献にも関わり、企業の経営にも参画。東洋調帯の取締役や、のちに東邦生命保険となる戦友共済生命保険の取締役なども務め、経済界においても一定の役割を果たした。

国政への進出は、明治45年（1912年）5月に行われた第11回衆議院議員総選挙である。新潟県郡部選挙区から立憲国民党公認候補として立候補し、初当選を果たした。その後、大正4年（1915年）3月の第12回総選挙においては、立憲同志会から再び出馬し、無事再選を果たした。当選後は、所属政党を立憲同志会から憲政会へと移し、衆議院議員として連続二期、国政の場で活動を続けた。議員として、郷里の利害を代表し、国政の課題に取り組んだものと推察される。

明治から大正にかけて、郷里においては村長として地域振興に尽力し、また一実業家として経済活動にも携わった。そして、衆議院議員として国の政治にも関与するなど、多方面で活躍したが、志半ばの大正8年（1919年）10月10日に死去した。享年42歳。短からぬ生涯ではあったが、地主、実業家、政治家として、その活動は郷里である新潟県および国政に影響を与えたと言えるだろう。父・徳松に続き、政治家としての道を歩んだ人物である。

参考文献として、『現代日本の政治家』(細井肇)、『大正人名辞典 第3版』(東洋新報社編)、『新潟県人物誌』(三神正僚)などが挙げられる。

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