相木昌朝

相木昌朝（あいき まさとも）／阿江木常喜（あいき じょうき）

相木昌朝は、戦国時代に活躍した武将で、信濃国佐久郡の国衆である阿江木依田氏の一族です。佐久郡の相木城を拠点とし、当初は佐久郡の岩村田大井氏の宿老を務めていました。その後、甲斐の武田氏に仕え、その家臣として活躍しました。

出自

相木氏は、清和源氏の流れを汲む依田氏の庶流である阿江木依田氏の一族です。相木昌朝は、信濃長窪城主・大井貞隆の家老であったとも伝えられています（ただし、異説もあります）。

略歴

永正13年（1516年）に生まれたとされています。

『甲陽軍鑑』によると、昌朝は天文11年（1542年）に弟を人質として武田氏に差し出し、武田家に仕えたとされています。しかし、『高白斎記』によれば、天文12年（1543年）に武田晴信（後の信玄）が信濃に侵攻した際に、大井貞清が敗北しており、昌朝の出仕もこの年であったと考えられています。武田晴信からの信頼は厚く、出仕直後から騎馬80騎を率いる田口城代に任じられました。

永禄4年（1561年）の第四次川中島の戦いでは、別働隊として参加しています。戦後、善光寺平の治安維持を任され、善光寺横山城の麓に居館を構えたと伝えられています。その付近を通る旧北国街道には、「相木通り」の名が残っています。

永禄10年（1567年）に死去したとされており、この説に従えば享年は52歳となります。

真田幸隆とは、同じ信濃先方衆として親交を深めており、長女は幸隆の次男である真田昌輝に嫁いでいます。また、昌朝の次男・市兵衛は、山県昌景の娘婿となっています。

昌朝の子である市兵衛は、常林と号していますが、別史料では依田昌朝とされており、親子に関する事績が混同している可能性があります。常林は、織田信長によって武田家が滅亡した後、天正壬午の乱で後北条氏に仕え、小田原征伐の際には佐久郡白岩城で挙兵しましたが、真田昌幸や前田利家らの北国軍に敗れました。

人物

相木昌朝は、武田家臣として、戦においては別働隊を率いるなど、勇猛果敢な武将でした。また、戦後の善光寺平の治安維持を任されるなど、武勇だけでなく、行政手腕にも長けていたと考えられます。真田幸隆との親交や、婚姻関係からも、周囲からの信頼も厚かったことがうかがえます。

登場作品

風林火山（2007年、演：近藤芳正）

参考文献

大石泰史「全国国衆ガイド」2015年 講談社

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