相生港

相生港の概要

相生港（あいおいこう）は、兵庫県相生市に所在する地方港湾です。兵庫県がその管理を行っており、港則法の適用を受ける港であり、関税法に基づく開港として利用されています。また、統計法に従い、乙種港湾として分類されています。

地理と歴史

兵庫県西部に位置するこの港は、瀬戸内海に面した相生湾の湾奥に位置しています。かつての相生港は現在の相生市文化会館近くにありましたが、2001年から始まった埋め立て事業の影響でその港湾機能は失われてしまいました。しかし、港の存在を示す相生港バス停が文化会館前にまだ設置されています。

1907年には播磨船渠が造船所を立ち上げ、相生は造船都市として成長を遂げました。この播磨船渠は後に播磨造船所となり、戦後は石川島播磨重工業（IHI）に改組されました。現在は、IHI相生事業所とその再編で生まれた子会社JMUアムテックにより、造船業が継続されています。市街地と造船所を結ぶ通勤ルートとして、浮き橋の皆勤橋が港奥に架けられていました。造船所の南側には相生発電所という関西電力の火力発電所があります。

地域のイベント

毎年5月の最終日曜日には「相生ペーロン祭」が開催され、前日の土曜日には花火大会などの前夜祭が行われます。この祭りは地域の活気を表す重要なイベントとされています。

港湾利用状況

2015年度の相生港における発着数は453隻（合計908,607総トン）で、その中には外国商船も22隻（合計213,333総トン）が含まれています。また、この年には354名の利用客（乗込人員177名、上陸人員177名）が記録されましたが、現在のところ定期的に発着する旅客航路は存在しません。

相生湾連絡船

相生市では、相生湾南端の坪根地区から中心部を結ぶ連絡船「つぼね丸」が1960年から運行されていましたが、2013年に廃止されました。この連絡船は、坪根地区に学校が存在しないため、通学者のための重要な交通手段として機能していました。しかし、通学利用者が減少し、2013年度からは利用者がゼロになったため、運行は終了し、代わりに予約型タクシーによる輸送が始まりました。

みなとオアシスあいおい

相生湾一帯は「みなとオアシス」に登録されており、「あいおい白龍城」や相生市立水産物市場といった基本施設を含み、地域の賑わいと交流の拠点となっています。「あいおい白龍城」は道の駅および海の駅としても機能しており、訪れる人々にさらなる魅力を提供しています。

相生港は地域の歴史や文化を支える重要な場所であり、今後もその役割を果たすことが期待されています。

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