相生線

相生線（あいおいせん）とは

相生線は、かつて日本国有鉄道（国鉄）が運営していた地方交通線です。北海道網走郡美幌町の美幌駅を起点とし、同郡津別町の北見相生駅までを結ぶ36.8kmの路線でした。1980年の国鉄再建法により、1985年4月1日に全線が廃止されました。

路線データ

区間: 美幌 - 北見相生 (36.8km)
駅数: 14駅（起終点駅含む。駅8、仮乗降場6）
複線区間: なし（全線単線）
電化方式: 全線非電化
閉塞方式: 票券閉塞式
交換可能駅: 1（津別）
輸送密度（1981年度）: 411人/km

歴史

相生線の計画は、釧路と美幌を結ぶ「釧美線」として始まりました。1911年には、地元住民から鉄道敷設の請願が提出され、1919年には美幌 - 相生間の着工が決定されました。1922年には改正鉄道敷設法で「釧路國釧路ヨリ北見國相生ニ至ル鐵道」として規定されました。

しかし、財政事情により工事は中断され、部分的な開通となりました。1924年に美幌 - 津別間、翌年には津別 - 北見相生間が開業し全線開通しました。しかし、1931年にほぼ並行する釧網線が開通したことで、釧路までの延伸計画は放棄されました。

1968年頃には、北見相生駅から阿寒湖を経由して白糠線までを結ぶ「阿寒線」の建設運動も起こりましたが、実現には至りませんでした。1980年に国鉄再建法が成立すると、相生線は第1次特定地方交通線に指定され、1985年4月に廃止されました。

相生線の釧路側では、1923年に北海炭礦鉄道（後の雄別炭礦鉄道）が雄別炭山まで開通していましたが、炭鉱の閉山に伴い1970年に廃止されています。

廃止後の代替交通

相生線の廃止後、代替バスとして、美幌向けの路線（北見 - 美幌 - 津別：北海道北見バス）と、人の流れに沿った北見向けの路線（北見 - 津別 - 相生：津別町営バス）が運行されていました。しかし、2012年10月には津別町営バスが事業を終了し、津別 - 相生間は予約制の混乗スクールバス「津別まちバス」に移行しました。

また、かつては阿寒バスが釧路 - 阿寒湖畔 - 美幌間のバスを運行していたこともありました。

年表

1924年（大正13年）11月17日：美幌 - 津別間 (16.6km) 開業。上美幌駅・活汲駅・津別駅を新設。
1925年（大正14年）11月15日：津別 - 北見相生間 (20.2km) 延伸開業し全通。本岐駅・北見相生駅を新設。
1947年（昭和22年）9月20日：布川仮乗降場を新設。
1955年（昭和30年）8月20日：旭通仮乗降場・豊幌仮乗降場・高校前仮乗降場を新設。
1956年（昭和31年）5月1日：達美仮乗降場・大昭仮乗降場・開拓仮乗降場を新設。
1956年（昭和31年）9月20日：恩根駅・布川駅を新設（仮乗降場から昇格）。
1975年（昭和50年）5月：蒸気機関車の運転を廃止。
1979年（昭和54年）12月11日：貨物営業廃止。
1981年（昭和56年）9月18日：第1次特定地方交通線として廃止承認。
1985年（昭和60年）4月1日：全線 (36.8km) を廃止し、バス路線に転換。

駅一覧

相生線には以下の駅が存在しました。接続路線の事業者名は相生線廃止時のものです。全駅が北海道網走郡に所在していました。

美幌駅（石北本線）
上美幌駅
活汲駅
恩根駅
布川駅
津別駅
本岐駅
北見相生駅

仮乗降場

旭通仮乗降場
豊幌仮乗降場
高校前仮乗降場
達美仮乗降場
大昭仮乗降場
開拓仮乗降場


（注）仮乗降場には営業キロが設定されていませんでした。括弧内に実キロを記します。

参考文献

石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』（初版）JTB、1998年。

関連項目

日本の廃止[[鉄道路線一覧]]

外部リンク

国鉄＆ＪＲ北海道の廃線路線シリーズ「相生線」Japan's Abandoned Rail (The Aioi Line ) - YouTube - 鉄道チャンネルHTB

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