相田 (広島市)

相田（あいた）について

広島県広島市安佐南区の相田は、地域の中心的な地名であり、住居表示が実施されている相田一丁目から七丁目と、未実施の相田町があります。相田一丁目から七丁目の郵便番号は731-0141で、人口は約9,978人。一方、相田町は731-0100で、人口は1人という特異な状況です。

地理

相田は、北側には荒谷山や野戸呂山、南側には武田山に囲まれた位置にあります。この地域は安川流域にあたる場所で、昔から「伊福鄕」と呼ばれ、後の「安の庄」の一部として知られています。武田山の北斜面と安川の南側に位置するため、豊かな自然環境が整っています。

歴史

相田の地名は古くは「愛田」とも書かれ、昔は上安村の一部分でした。天正年間に分村され、江戸時代には安芸国沼田郡に属する広島藩領でした。明治時代を迎えると、1888年には広島県の沼田郡相田村として組織され、1889年の大合併時にはいくつかの村と統合されて沼田郡安村が成立しました。

その後1955年には安佐郡古市町と合併して安佐郡安古市町となり、1973年には広島市と合併し、現在の広島市安古市町となりました。1980年に広島市は政令指定都市となり、相田も広島市安佐南区相田として新たなスタートを切りました。

文化財

相田には数多くの文化財が存在します。中でも正伝寺は歴史深い寺院で、金尾山愛光院と名付けられています。この寺は985年に恵心僧都の高弟、恵空によって設立され、その後に様々な宗派への転宗を経ています。正伝寺の所蔵するクロガネモチは、1953年に県の天然記念物に指定され、豊臣秀吉の朝鮮出兵時に持ち帰られた苗木が起源とされています。

他にも、尾越城跡や明休寺、萩尾山神社などの歴史的な名所があります。明休寺は浄土真宗の寺院で、1580年に建立されました。萩尾山神社は商業・漁業の守護神を祀る神社としても知られています。

交通

相田は交通網も整っており、広電バス（あさひが丘線、沼田ループ線）、フォーブルのバス路線が利用可能です。また、エンゼルキャブのサービスも提供されています。道路アクセスとしては県道広島豊平線（安川通り）や山陽自動車道が利用できるため、周辺地域との連携が良好です。

出身人物

相田からは金尾稜厳という著名な人物が輩出されています。彼は富山県知事や島根県知事、衆議院議員として活動し、正伝寺の住職でもありました。

まとめ

相田は、自然環境が豊かで歴史深い地域です。文化的な資産が多く、交通の便も良いため、観光や居住に適した場所と言えます。

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