安古市町

安古市町（やすふるいちちょう）

安古市町は、かつて広島県安佐郡に存在した町です。1973年3月20日に安芸郡瀬野川町、安佐郡高陽町・佐東町とともに広島市に編入され、その歴史に幕を閉じました。この合併により安佐郡も消滅し、1898年10月1日の高宮・沼田両郡統合以来、約75年の歴史を終えました。

町名の由来

町名は、合併前の安村と古市町が対等な立場で合併したことに由来し、それぞれの村名を組み合わせて名付けられました。

沿革

1889年4月1日：市町村制が施行され、安古市町域には当時、高宮郡三川村と沼田郡安村が存在しました。
1898年10月1日：高宮・沼田両郡が統合し、安佐郡が成立。三川村と安村は安佐郡に属する村となりました。
1943年10月1日：三川村が町制を施行し、古市町に改称しました。
1955年7月1日：古市町と安村が対等合併し、安古市町が成立しました。
1973年3月20日：安芸郡瀬野川町、安佐郡高陽町・佐東町・安古市町が広島市に編入され、安古市町は消滅。同時に安佐郡も消滅しました。

地理

安古市町は、以下の河川と山々に囲まれた地域でした。

河川

太田川
古川
安川

山

荒谷山（標高631.3m）
火山（標高488.3m）
野登呂山（標高453.0m）
武田山（標高410.9m）：山頂には銀山城跡があります。

名所・旧跡

銀山城跡：安芸国の守護・武田氏が拠点とした山城の跡です。

大字

安古市町は、以下の大字で構成されていました。

相田（あいた）
大町（おおまち）
上安（かみやす）
高取（たかとり）
長楽寺（ちょうらくじ）
中須（なかす）
中筋（なかすじ）
東野（ひがしの）
古市（ふるいち）

交通（1973年3月19日当時）

鉄道

国鉄可部線
古市橋駅

道路

国道
国道54号
国道183号：町内は全区間国道54号と重複
国道191号：町内は全区間国道54号と重複
国道261号：町内は全区間国道54号と重複
主要地方道
広島県道38号安佐安古市線（現：広島県道38号広島豊平線）
一般県道
広島県道268号勝木安古市線
広島県道277号古市広島線
広島県道459号矢口安古市線

教育（1973年3月19日当時）

小学校

安古市町立大町小学校
安古市町立新和小学校（広島市編入後の1987年に広島市立古市小学校に改称）
安古市町立安小学校

中学校

安古市町佐東町組合立安佐中学校

大学

安田女子大学
安田女子短期大学

備考

町名選定の際、旧郡名を使用することも検討されましたが、安村（旧沼田郡）と古市町（旧高宮郡）で郡が異なっていたため、まとまりませんでした。また、沼田郡（佐東郡）の名称を沼田町と佐東町が使用することになったため、断念されました。最終的には、両町村名を合成することで決定しました。

県外の人からは「アンコイチ」などと誤読されることが多く、隣接する佐東町と合わせて「砂糖と餡子」という珍地名として扱われることもありました。

町役場は長らく安佐南区役所分館として使用されていましたが、老朽化のため取り壊され、現在は安佐南区総合福祉センターとなっています。

関連項目

広島県の廃止市町村一覧

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