相賀徹夫

相賀 徹夫（おうが てつお）の業績と影響

相賀徹夫は1925年に東京で生まれ、2008年に83歳で逝去した日本の実業家であり、出版界における重要な人物として知られています。彼は小学館の第2代社長を務めたほか、集英社の初代会長、日本書籍出版協会の理事長、日本雑誌協会の理事長を歴任しました。相賀は昭和から平成にかけて54年間にわたり小学館の舵を取り、同社の成長を大きく牽引しました。

幼少期から社長への道

幼少期から相賀は父親であり初代社長の相賀武夫の影響を受けて育ちました。1938年、父の死去に伴い、わずか13歳で社長職を引き継ぐこととなり、これが相賀の実業家としての人生の始まりとなります。その後、成蹊小学校、そして旧制成蹊高等学校を経て、東京帝国大学の文学部宗教学科に進学。和辻哲郎という著名な学者のもとで学びました。

1945年、在学中に小学館を株式会社に改組し、その後は家業に専念するため大学を中退します。

売れる子供向け書籍の発見

1947年、戦後の焼け跡の紙芝居に心を打たれた相賀は、子会社の集英社から山川惣治の「少年王者」を出版する決定を下しました。この出版は驚異的な成功を収め、記録的なベストセラーとなります。このヒットにより、集英社は事業を再開するきっかけとなりました。以降、1950年代から1990年代の前半にかけて、相賀の名前は小学館から発行された多くの書籍に明記されることになります。

雑誌の創刊と新しい挑戦

1960年代には、自ら新たな時代を切り開く決断をし、「女性セブン」（1963年）や「週刊ポスト」（1969年）を創刊し、1970年には私費を投じて祥伝社を設立しました。これらの雑誌は広く受け入れられ、本業の出版業界に新たな風を吹き込むこととなりました。

小学館の発展とその後

小学館の総帥としての役割を長らく果たし続けた相賀は、1992年に創業70周年を迎え、長男の相賀昌宏に社長の職を引き継ぎ、以降は取締役相談役に退きました。1993年以降は相談役として会社に関与し、相賀の経験と知恵は引き続き小学館の発展に寄与しました。

家族と遺産

相賀には長男・相賀昌宏、長女・真理子、二男・彰、そして次女・祥子といった四人の子供がいます。彼の遺した影響は、出版業界だけでなく、多くの人々への教育や文化の普及にも関わっており、その功績は今なお色あせることがありません。

相賀徹夫の生涯は、出版界に革命をもたらし、多くの人々に知識と情報を提供してきた偉大な実業家の遍歴を物語ります。

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