相馬高胤

相馬高胤について

相馬高胤という名前を持つ人物は、歴史上二名確認されています。一人は鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した下総相馬氏の武将であり、もう一人は室町時代から戦国時代にかけて陸奥で勢力を誇った大名です。ここでは、それぞれの高胤について詳しく解説します。

下総相馬氏の相馬高胤

下総相馬氏の相馬高胤は、生没年不詳の武将です。相馬師胤（または相馬胤基）の子とされ、相馬胤長の父にあたります。小次郎、胤忠と名乗り、上野介、左衛門尉を称したとも言われています。

鎌倉幕府滅亡後は、建武政権に仕えたと推測されていますが、詳しい動向は不明です。

陸奥相馬氏の相馬高胤

陸奥相馬氏の相馬高胤は、応永31年（1424年）に生まれ、延徳4年6月11日（1492年7月5日）に没した武将です。室町時代から戦国時代にかけて、磐城地方行方郡周辺を支配する大名として活躍しました。相馬氏第12代当主であり、相馬重胤（第11代）の子、相馬盛胤（第13代）の父にあたります。初名は隆胤、孫次郎と名乗り、治部少輔を称しました。

父の早世により若くして家督を相続し、鎌倉公方の滅亡とそれに伴う混乱が奥州に及ぶ中、優れた武勇を発揮しました。反抗的な牛越氏や飯崎氏を滅ぼし、近隣の白河結城氏や岩城氏と同盟を結ぶなどして、奥州の一雄として戦乱を生き抜きました。

標葉郡の標葉氏とは、当初は友好的な関係だったようですが、後に不倶戴天の敵となり、高胤は生涯をかけてこの敵と戦いました。標葉氏の打倒を目前にして病没したとされています。

二人の相馬高胤は、同名でありながら、生きた時代も出自も大きく異なります。下総相馬氏の高胤は、鎌倉幕府滅亡後の動乱期にその名が見られるものの、詳細は不明な点が多く残されています。一方、陸奥相馬氏の高胤は、戦国時代の激しい動乱を生き抜き、領土を拡大し、一族の勢力を盤石なものとしたことで知られています。二人の高胤は、それぞれの時代において重要な役割を果たした人物と言えるでしょう。

もう一度検索