相馬重胤について
相馬重胤という人物は、歴史上に二名存在します。一人は
鎌倉時代から南北朝時代にかけて活躍した陸奥
相馬氏の祖であり、もう一人は
室町時代の陸奥
相馬氏の当主です。それぞれの重胤について詳しく見ていきましょう。
鎌倉時代から南北朝時代の相馬重胤
この相馬重胤は、生没年は不明ですが、
鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍しました。陸奥
相馬氏の第6代当主であり、
相馬師胤の子です。子に
相馬親胤、相馬光胤がいます。通称は孫五郎。
重胤は、下総
相馬氏との所領争いを繰り返していました。1323年、争いの中で形勢不利となったため、一族郎党80余騎、寺社、同行を願う百姓らとともに陸奥へ下向しました。太田川沿いに拠点を広げ、小高城を築くなどして勢力を拡大し、陸奥
相馬氏の祖となりました。
鎌倉幕府滅亡後、
建武の新政に従いましたが、後に
足利尊氏が台頭すると尊氏に味方し、南朝方の
千葉氏や下総
相馬氏と対立しました。子の親胤を尊氏の上京に従わせ、次男の光胤を陸奥の守りにつかせました。自身は斯波家長と共に鎌倉の守備にあたりましたが、
北畠顕家の攻撃を受けて戦死しました。
もう一人の相馬重胤は、
室町時代の人物で、陸奥
相馬氏の第11代当主です。相馬胤弘の子で、
相馬高胤の父です。通称は孫次郎、官位は治部少輔です。
永享8年(
1437年)に父の隠居により家督を継ぎましたが、
永享11年(
1440年)に病に倒れ、子の隆胤(後の高胤)に家督を譲り隠居、そのまま病没しました。
まとめ
二人の相馬重胤は、いずれも陸奥
相馬氏の発展に重要な役割を果たしました。
鎌倉時代から南北朝時代の重胤は、陸奥
相馬氏の祖として、その後の
相馬氏の繁栄の基礎を築きました。
室町時代の重胤は、短い期間ではあったものの、家督を継ぎ、後継者を育てました。
同じ名前を持つ二人の当主がいたことは、
相馬氏の歴史を複雑にしていますが、それぞれの時代において、彼らが果たした役割は非常に重要であったと言えるでしょう。