県立長崎シーボルト大学

県立長崎シーボルト大学：12年の軌跡と現在

県立長崎シーボルト大学は、1999年に長崎県西彼杵郡長与町に開学し、2008年に長崎県立大学と統合された公立大学です。わずか12年という短い期間でしたが、地域社会に貢献できる人材育成を目指し、特色ある教育を展開しました。

名称の由来と特徴

大学名は、長崎に深い縁のあるドイツ人医師、フィリップ・フランツ・フォン・シーボルトに由来します。シーボルトは、鳴滝塾を開設し、日本の近代化に貢献しました。その功績を称え、また、国際的な視野を持つ人材育成を目指す大学の理念を象徴するものとして、この名称が採用されました。また、公立大学としては初めて片仮名を含んだ名称であったことも特徴です。

大学の理念と教育

県立長崎シーボルト大学は、「県立大学」として、人材の育成や学術研究の深化、文化の向上を通じて、長崎県の地域振興に寄与することを基本理念としていました。そのために、人材育成、教育研究、国際貢献、地域貢献の4分野に重点を置いた教育目標を掲げ、実践的な教育を提供していました。国際情報学部では、国際交流学科におけるTOEIC必修やCALL英語教材の導入など英語教育に力を入れていました。看護栄養学部では、多くの県内関係機関の協力のもとに臨地実習を展開し、離島における宿泊型の実習を行うなど長崎県の地域特性に合う教育を行っていました。

統合と現在

2008年、県立長崎シーボルト大学は長崎県立大学と統合し、長崎県立大学シーボルト校となりました。大学としての歴史は幕を閉じましたが、キャンパスは現在も長崎県立大学シーボルト校として使用されており、国際情報学部、看護栄養学部などの学部、国際情報研究科、人間健康科学研究科などの大学院が設置されています。かつてのシーボルト大学の理念は、長崎県立大学シーボルト校に引き継がれ、地域社会の発展に貢献できる人材育成が続けられています。

大学の施設と学生生活

キャンパスは、比較的新しい鉄筋コンクリート校舎で構成されており、本部棟、東棟、中央棟、附属図書館、西棟、クラブハウス、学生会館、体育館などの施設が整っています。学生生活においては、体育部、文化部など様々な部活動・クラブ活動・サークル活動が活発に行われていました。また、毎年10月には学園祭「SUN FESTA」が開催され、地域住民との交流の場となっていました。

アクセス

長崎駅や長与駅からバスでアクセス可能であり、周辺にはまなび野団地やサニータウンなどの住宅街が広がっています。

県立長崎シーボルト大学は、短い歴史の中で、地域社会に貢献できる人材育成という重要な役割を果たしました。その精神は、現在の長崎県立大学シーボルト校に受け継がれ、更なる発展を目指しています。

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