真宗大谷派竹鼻別院

真宗大谷派竹鼻別院について

真宗大谷派竹鼻別院（しんしゅうおおたにはたけはなべついん）は、岐阜県羽島市に位置する真宗大谷派の寺院であり、同派の別院として重要な役割を果たしています。元々は「専福寺」として知られていましたが、1886年に現在の名称に改称されました。

沿革

竹鼻別院の歴史は深く、嘉禎元年（1235年）にさかのぼります。この年、親鸞は東国からの帰京途中に三河国に立ち寄り、その際に説法を行ったことがきっかけで、尾張国葉栗郡の住民9名が帰依しました。彼らは後に「河野九門徒」と称され、その後草庵を建立することになります。

文明2年（1470年）、蓮如がこの土地を訪問し、草庵を再興します。新加納（現各務原市）に移転し「河野御坊」と名付け、その後も浄土真宗の影響が広がる中、ここは重要な拠点となっていきました。1604年、教如による美濃国羽栗郡竹ヶ鼻村への移転が行われ、寺院名も「専福寺」に変更されました。

その後、1760年に現在地に移転し、1822年には本堂の再建が行われるなど、数回の改修や名称変更を経て、1886年に竹鼻別院と現在の名へと至ります。1891年には濃尾地震によって被害を受け、仮本堂が建設されるも、1922年には第10世の棟梁・伊藤平左衛門によって再建が完了します。

境内の特徴

竹鼻別院の境内には、1922年に完成した本堂や、1925年に完成した山門が存在します。どちらも魅力的な建築で、多くの信者や訪問者に親しまれています。

さらに、竹鼻別院の境内には推定樹齢300年以上の大きな藤の木もあり、その枝張りは東西に約30m、南北に約15mに及ぶ日本有数の大木です。この藤は岐阜県の天然記念物に指定されており、毎年4月下旬から5月上旬には「みの竹鼻まつり」や「ふじまつり」が行われ、この地域の文化イベントとして賑わいます。

河野九門徒の存在

「河野九門徒」とは、親鸞や蓮如と深い関わりを持つ9つの寺院を指し、歴史的に重要な役割を果たしています。初めに草庵を築いた9名の門徒の子孫によって現在もこの名称が受け継がれています。ここに名を連ねる寺院には、河野善龍寺や河野栄泉寺、河野妙性坊などが含まれており、浄土真宗の伝統が今も息づいていると言えます。これらの寺院は、美濃国と尾張国の浄土真宗の中心地として、多大な影響を与え続けています。

所在地とアクセス

竹鼻別院は岐阜県羽島市竹鼻町2808に位置しています。名鉄竹鼻線羽島市役所前駅からは徒歩約5分の距離で、アクセスも良好です。このように、真宗大谷派竹鼻別院は歴史、文化、自然が調和する場所として広く知られています。

もう一度検索