真山くみ子

真山くみ子：昭和初期の映画界を彩った女優

真山くみ子（まやま くみこ、1916年7月2日 - ）は、昭和初期に活躍した日本の女優です。旧芸名は高松美絵子、本名は高橋美枝子。新興キネマのスターとして、現代劇を中心に数多くの作品に出演しました。

生涯

福島県に生まれた真山は、1934年に麹町高等女学校を卒業後、1935年に日活多摩川撮影所に入社し、高松美絵子の芸名でデビューしました。初期の代表作には、阿部豊監督の『海国大日本』があり、広瀬恒美演じる松井敏夫の妹役を演じました。その後、大河内伝次郎に見出され時代劇への出演が決まりますが、演技力不足により降板。

1936年に新興キネマへ移籍し、芸名を真山くみ子と改めました。伊奈精一監督の『小間使日記』で新興キネマでの初出演を果たし、以降は主演または主要キャストの相手役として活躍しました。1942年、戦時統合により新興キネマが大映に合併した後も引き続き在籍し、『山参道』や『八処女の歌』などの作品で主演を務めました。

戦後は脇役としての活動が中心となり、1946年に大映を退社。1949年に『殿様ホテル』でスクリーンに復帰してからは、かつて新興キネマで共演した監督や俳優との作品にも出演しました。1953年以降は新[[東宝]]を中心に母親役などを演じ、1955年からは新[[東宝]]専属となりました。1957年からはテレビ映画にも進出し、1958年には『天城心中 天国に結ぶ恋』で重要な役どころを演じました。

1960年に新[[東宝]]を退社した後も、テレビドラマや成人映画に出演。1968年の成人映画『夜の寄生虫』以降は活動の記録がなく、消息不明となっています。

主な出演作品

真山くみ子の代表的な出演作品は以下の通りです。

海国大日本（1935年）：高松美絵子名義
小間使日記（1936年）
女は嘆かず（1938年）
若妻（1939年）
情熱の翼（1940年）
八処女の歌（1942年）
結婚命令（1943年）
東京十夜（1950年）
犬神家の謎 悪魔は踊る（1954年）
天城心中 天国に結ぶ恋（1958年）

評価と影響

真山くみ子は、新興キネマのスターとして、その美貌と演技力で多くの観客を魅了しました。戦後は脇役として、様々な作品で存在感を示し、映画史にその名を刻んでいます。東京国立近代美術館フィルムセンターには、彼女の出演作品が複数所蔵されており、その功績は今日でも評価されています。

もしご存命であれば108歳を迎える真山くみ子。昭和初期の映画界を彩った名女優として、その名は今後も語り継がれることでしょう。

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