後藤基次

後藤基次（ごとう もとつぐ）

後藤基次（ごとう もとつぐ）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将であり、主に黒田氏および豊臣氏の家臣として名を馳せました。また、通称として後藤又兵衛（ごとう またべえ）でも知られています。彼は数々の軍功を挙げ、「黒田二十四騎」や「黒田八虎」として戦記物語や講談などで語られた豪傑としての側面を持っています。特に「大坂城五人衆」の一人とされ、その名声は今も伝わっています。

生涯

出生

後藤基次は、永禄3年（1560年）に播磨国姫路近郊の山田村で別所氏の家臣、後藤新左衛門基国の次男として生まれたとされています。天正6年（1578年）、黒田孝高が有岡城に幽閉された際、基次の伯父である藤岡九兵衛が誓紙への署名を拒否したため、基次の一族は追放されることになりました。その後、基次は仙石秀久に仕官しました。

複数の戦歴

基次の記録が明確に残るようになるのは、天正14年（1586年）の九州征伐から始まります。特に戸次川の戦いでは、彼が所属していた仙石秀久配下として参加しました。その後、黒田家に仕官し、様々な戦で奮闘を繰り広げました。城井氏との戦いでは、黒田長政の意向を無視して直退却を進言するも受け入れられず、敗北を経験しました。しかしその勇敢な行動は後々の評価につながります。

基次は文禄の役にも従軍し、特に朝鮮の晋州城攻防戦では装甲車を製作し、仲間と共に先陣を切りました。また、関ヶ原の戦いにおいても一騎討ちで有名な武将を討つなど、その戦功は広く知られるところとなります。

黒田家からの出奔

黒田如水の死後、慶長11年（1606年）に基次は家族一同で黒田家を出奔します。この決断は彼が他家との書状のやりとりが頻繁だったことが背景にあります。その後、小倉藩の細川氏に仕官を試みるも、黒田・細川両家の関係が悪化したため、その後も家を転々としました。最終的には浪人生活を余儀なくされましたが、この時期の彼の智勇は多くの者に惜しまれました。

大坂の陣

慶長19年（1614年）、大坂の陣では大野治長の誘いを受けて大坂城に入城します。この際、彼は重要な戦略を立て、「摩利支天の再来」と称されるほどの采配を振るいました。冬の陣では、兵力を指揮し、夏の陣においても敵軍に迎撃作戦を展開しました。しかし、最後の戦いである道明寺の戦いで、彼は討ち死にする結果となりました。享年56。

確執や逸話

基次と主君・黒田長政との関係は様々な逸話を生みました。彼が戦いの勝敗に関わらず髪を切り落として詫びを入れないことや、戦場での決断に影響を与えたさまざまな事件が後に良好な関係を損ねる要因となったとも言われています。また、基次の死後には生存説や数々の伝説が広まり、彼の存在自体がまり神秘めいたものであったことを示しています。

後世への影響

後藤基次に関する伝説やその名声は、戦記物語や講談に興味深い形で残り、現代においても彼の業績や生涯を称賛する声は絶えません。また、日本各地には彼にまつわる場所や伝説が存在し、その人気は今なお衰えを見せていません。彼の存在は、武士としての誇りや忠義を体現したようなものとして後世の人々に語り継がれています。

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