真空フランジ

真空フランジとは

真空フランジは、真空装置において、真空チャンバー、真空ポンプ、その他の真空部品同士を接続し、気密性を保つための接合部品です。主に真空環境に適した材料が用いられ、様々なシール方式が存在します。

真空フランジのシール方式

真空フランジは、そのシール方式によっていくつかの種類に分類できます。

メタルシール

メタルシールは、金属のガスケットを用いてシールを行う方式で、主に以下の2種類があります。

キャプチャリングシール

キャプチャリングシールは、無酸素銅やアルミニウム製の長方形断面のガスケットを使用します。エッジの付いた特殊な形状のフランジでガスケットを挟み込み、変形させて密閉します。この方式は、長時間の締め付けや繰り返しベーキングによる塑性変形が起こりにくく、高いシール性能を誇ります。Varian社が開発したConFlatフランジが代表的で、超高真空環境を必要とする真空チャンバーのシールによく用いられます。

メタルOリング

メタルOリングは、金属製のOリングを使用するシール方式です。内部にコイルスプリングを内蔵したヘリコフレックス構造や、中空構造のメタルOリング、あるいは金線やアルミ線などが用いられます。キャプチャリングシールに比べて形状の自由度が高く、大型化が容易です。また、溝形状を工夫することでエラストマーシールへの代替も可能です。

エラストマーシール

エラストマーシールは、ゴム状の材料であるエラストマーを用いたシール方式です。一般的にはOリングと呼ばれる断面が丸いガスケットを使用します。Oリングを適切な割合で圧縮し、エラストマーの反発力を利用してシールを行います。フランジの形状によっていくつかの種類があります。

溝形状

フランジには、Oリングを一定量圧縮するための溝が設けられており、相手側のフランジはフラットな形状です。圧縮量を調整することでシール性能を確保します。この方式は、設計の自由度が高いのが特徴です。

クランプフランジ

クランプフランジは、同じテーパーを持つフランジの間に、サポートリング（センターリング）で支えられたOリングを挟み、クランプで固定する方式です。短時間で容易に接合できるのが利点です。サポートリングとフランジ形状でOリングの圧縮量を制御します。

カラー付き

カラー付きフランジは、対称形状のフランジの間に、サポートリング（カラー）を装着したOリングを挟み込む方式です。ボルトやクローで接合し、カラーによってOリングの圧縮量を調整します。

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シール (工学))
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