真覚寺 (八王子市)

真覚寺（しんかくじ）

真覚寺は東京都八王子市散田町五丁目に位置し、真言宗智山派に属する寺院です。山号は常光山として知られています。この寺院は、古い歴史と豊かな自然環境が魅力的な場所であり、多くの訪問者を惹きつけています。

歴史

真覚寺の創建の由来は鎌倉時代中期に遡るとされています。文暦元年（1234年）に初めて建立されたと伝えられています。その後、応永18年（1411年）になると、長山修理亮忠好が中興開基を務め、隆源が観音堂を新たに創ったことが寺の歴史において重要な出来事となりました。

さらに、明暦4年（万治元年・1658年）には鐘楼堂が建立され、続いて嘉永5年（1853年）には本堂が完成しました。この歴史を通じて、真覚寺は地域の信仰の中心としての役割を果たしてきました。

寺院の中には、奈良時代前期に作られた金銅薬師如来倚像があり、これは八王子市の有形文化財として保護されています。現在、この像は八王子市郷土資料館に寄託されており、しっかりとした保存がなされています。

また、心字池という景観は特徴的で、江戸時代には春になると関八州から何万匹ものヒキガエルがここに集まり、その凄まじい鳴き声を競い合う光景が「蛙合戦」として人々に知られていました。現在もヒキガエルの生態と繁殖池は八王子市の指定史跡としての地位を保っていますが、周囲の宅地化により実際にヒキガエルを見かける機会は減少しています。

境内には、正保安永年間に広園寺から移されてきた高宰神社があります。また、南側の山は最近の開発に伴い「万葉公園」として整備され、ここには万葉集に因んだ歌碑が建立されています。これは1955年に南多摩郡横山村が八王子市に編入された際の記念碑でもあります。この歌碑には、「赤駒を山野に放（はか）し　捕りかにて　多摩の横山かしゆかやらむ」という詩が刻まれています。

境内とロケーション

真覚寺の所在地は東京都八王子市散田町5-36-10で、交通アクセスも便利です。JR中央線の西八王子駅または京王高尾線のめじろ台駅から徒歩でおよそ15分の距離にあります。また、西八王子駅南口から高尾駅南口行きのバスに乗ると、「散田五丁目」で下車し、そこから徒歩約2分で訪れることができます。

まとめ

真覚寺は、その歴史的な背景や文化財、自然環境から、多くの人々に愛される場所です。訪れることで、古き良き日本の風景や文化を感じることができるでしょう。地域の歴史を肌で感じながら、静かで穏やかなひとときを楽しむことができる真覚寺は、間違いなく八王子市の名所の一つと言えるでしょう。

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