真野寺

真野寺（まのじ）

真野寺は、千葉県南房総市の久保字真野谷に位置する真言宗智山派の寺院であり、通称「真野大黒」とも呼ばれています。この寺の背後にそびえる高倉山の風景は、多くの参拝者にとって心を和ませる場所となっています。

歴史と本尊

真野寺は神亀2年（725年）に開山されたと伝えられており、本尊には覆面千手観音が祀られています。この千手観音は非常に珍しいタイプであり、行基によって作られたとの言い伝えがありますが、実際には平安時代後期、十二世紀の造像と考えられています。

また、特に名高い大黒天像は、貞観2年（860年）に慈覚大師円仁によって彫られたもので、「朝日開運大黒天」と名付けられています。この大黒天像は鎌倉時代に造立されたもので、関東地域に残る古い像としては最大規模を誇ります。

さらに、建武2年（1335年）に仏師上総法橋が手掛けたとされる二十八部衆像も重要な文化財です。真野寺のこの仏像は、京都の三十三間堂をはじめとする多くの地域に存在する二十八部衆像の中でも、大変貴重な一例とされています。

大黒天大祭

真野寺の最大行事である大黒天大祭は、毎年2月6日（旧暦の1月6日）に行われます。この日は、慈覚大師が朝日を浴びて大黒天を感得した日とされています。大祭は、参拝者で大いに賑わい、特に朝日開運大黒天の霊力を宿した宝槌や困難に立ち向かう強さを得る柳守を求めて訪れる人々が多いです。この行事は地域に根付いた信仰の象徴であり、多くの人々にとって重要な日です。

文化財と仏像

真野寺内にはいくつかの文化財が存在します。具体的には、以下のような仏像や彫刻があります：

• - 木造千手観音像（覆面千手観音）
• - 木造二十八部衆像
• - 風神像及び雷神像
• - 木造大黒天像（朝日開運大黒天）

また、修復中の二天像や木造地蔵菩薩立像、不動明王立像なども本堂に安置されています。特に七福神堂には、多くの七福神や聖天、三宝荒神などの像が展示されています。

年中行事

真野寺は、初詣や大黒天大祭など、多くの年中行事を行っています。具体的な行事としては、初詣（1月1日〜3日）、初大黒（1月6日）、宵大黒（2月5日）、柴燈護摩（6月6日）やあじさい祭り（6月6日〜7月6日）があり、多くの地域住民や観光客が訪れます。また、毎月の大黒天祭や開運マルシェも開催され、多彩なイベントが楽しめます。

交通アクセス

真野寺へのアクセスは、富津館山自動車道の富浦ICから車で約20分、または内房線（JR東日本）九重駅から徒歩約50分です。
このように、真野寺は歴史と信仰が深く根付いた場所であり、訪れる人々に豊かな体験を提供する寺院です。

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