眷村

眷村（けんそん）についての詳細

眷村とは、台湾において外省人が居住する地区を指します。1949年から1960年代にかけて、国共内戦の影響で中国大陸から台湾に移住した中華民国国軍およびその家族が築いた家屋が集まる地域が形成されました。この新たに生まれた集落は、従来の村や町とは異なる特徴を持ち、特に国民政府の政策により、厳密に居住する人々が決まった地区として認識されるようになりました。

背景

1949年、国共内戦に敗れた中国国民党は、多くの政府、軍人、公務員及び関連住民を台湾へ移住させる政策を実施しました。この結果、1946年の時点で610万人だった台湾の人口は、1950年には745万人へと増加しました。増加した150万人を超える移住者の住まいの確保が急務となり、国民政府は新たな住宅を建設し、彼らが集団で生活できる地区を設けることにしました。これにより、大都市では眷村が次々と形成されています。

種類

眷村の家屋は、様々な面積や形状を持ち、外省籍の公務員、軍人、そしてその家族が多く居住しています。眷村は官僚、軍人、一般公務員、教師、地域の五つの種類に分類され、それぞれの社会的・経済的な立場によって異なる条件のもとで居住が行われています。多くの住宅は、戦後に急造されたものですが、いくつか日本統治時代に建設された建物も現存しています。

特色

眷村は広大な土地に建設されており、密集した住居が独特の文化を形成しています。その中には、独自の言語用例として「眷村黒話」と呼ばれるものがあり、台湾のサブカルチャーの一部として注目されています。また、眷村を管轄している中国国民党の支部があり、外省人の支持を得るために様々な活動を行っています。

現況

現在、台湾各地の眷村は以下の問題を抱えています。
1. 資源を活用した現代の都市計画との調和が取れていないこと。
2. 家屋が簡素で、衛生環境や公共施設が充実していないこと。
3. 人口減少による治安の悪化。

これらの問題を解決するため、1980年代から政府の改善事業が行われ、近代的な集合住宅が建設されるようになりました。その結果、少しずつ住環境が向上しています。また、一部の自治体では、歴史的な眷村を保存する取り組みも行われています。

古跡となった眷村の例

• - 台北市「四四南村」: これは、大陸からの移民が日本陸軍の倉庫を利用して住まうようになった地域です。現在、歴史的建物が保存されており、観光地としても知られています。
• - 台北市「寶藏巖歴史集落」: 過去には兵舎があったこの地域は、住民の反対運動を受けて歴史地区として保存され、現在ではアート活動の場としても活用されています。
• - 台中市「彩虹眷村」: この地域は、壁に描かれたカラフルな絵によって観光名所となり、文化公園として保存されています。

眷村は台湾の歴史を象徴する独特の地域であり、多くの人々にとって懐かしい場所となっています。今後もその文化や歴史を次の世代に伝えていくことが重要です。

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