矢岡俊樹

矢岡 俊樹（やおか としき）は、日本の地方公務員として長年にわたり東京都政に携わってきた人物です。東京都の出身で、1986年に千葉大学法経学部を卒業後、東京都庁に入庁しました。

都庁でのキャリアは多岐にわたり、初期には東京テレポートセンターへの派遣を経験しました。その後、東京都港湾局では臨海開発部で開発調整担当の副参事を務め、誘致促進課長、総務部企画計理課長などの役職を歴任。臨海部開発に深く関わることとなります。2011年には東京都港湾局担当部長として東京臨海ホールディングスへ派遣されるなど、関連団体との連携も担いました。

港湾局を離れてからは、東京都総務局で多摩島しょ振興担当部長（2013年）、総合防災部長（2014年）といった、都政全体の重要課題に関わるポストを務めました。続いて、東京都人事委員会事務局の任用公平部長（2016年）として、都の職員採用や公平な人事管理に携わりました。2019年には東京都下水道局の流域下水道本部長に就任し、同時に東京都都市づくり公社の評議員も務めるなど、インフラ整備分野でも要職を歴しました。

2021年には、間近に迫った国際的な祭典に関わる東京都オリンピック・パラリンピック準備局の理事に就任。また、東京マラソン財団の副理事長としても活動しました。これらの経験を経て、2022年には再び東京都港湾局長に就任。港湾行政のトップとして手腕を発揮するとともに、東京臨海高速鉄道、東京臨海ホールディングス、東京港埠頭、東京テレポートセンター、ゆりかもめといった臨海部の主要企業の取締役を兼任。さらに、東京水産振興会の評議員、港湾海岸防災協議会や国際港湾協会日本会議の理事も務めるなど、多方面でその経験を活かしました。

そして2023年、矢岡氏は東京都公園協会の理事長に就任しました。公園協会理事長として、都内の公園や霊園の管理・運営を統括しています。しかし、この理事長就任後に協会が進める一部の事業、特に青山霊園や葛西臨海公園などでの大規模な樹木伐採計画に対して、多くの方面から疑問や批判の声が上がっています。これらの計画は、過去に議論を呼んだ明治神宮外苑での樹木伐採・再開発計画と同様に、マスメディアなどを通じて広く報じられ、専門家や市民の間で論争の的となっています。矢岡氏のこれまでの多様な行政経験が、こうした複雑な状況にどう対応していくのかが注目されています。

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