矢野諭

矢野 諭

矢野 諭（やの さとし）は、1978年4月25日生まれ、香川県綾川町（旧綾歌郡綾南町）出身の元プロ野球選手（投手）です。右投げ右打ち。

アマチュア時代

高校は香川県の帝京第五高校に進学。硬式野球部に所属し、投手として活躍しました。3年夏の全国高等学校野球選手権愛媛大会では決勝まで勝ち進みましたが、強豪・松山商業高校に惜しくも敗れ、準優勝に終わり、甲子園出場は叶いませんでした。

プロ入り

高校卒業を控えた1996年秋のプロ野球ドラフト会議で、日本ハムファイターズから1位指名を受け、入団することになりました。当時の推定契約条件は、契約金が8000万円、出来高払いが2000万円、そして年俸は700万円でした。

プロ1年目の1997年シーズン、高卒新人ながら開幕から積極的に起用されます。そして、5月31日に東京ドームで行われた対千葉ロッテマリーンズ戦で一軍に初めて登板し、これがプロ初先発となりました。この試合で6回を無失点に抑える好投を見せ、見事にプロ初勝利を挙げました。これは球団にとって、1966年の森安敏明以来、実に31年ぶりとなる高卒新人による初登板初先発勝利という、歴史的な快挙でした。この鮮烈なデビューにより、翌年以降の新人王資格も保持するなど、将来のエース候補として大きな期待が寄せられました。

しかし、同年オフに参加したプロ野球のスポーツイベントで両足首を負傷するというアクシデントに見舞われます。この両足首の故障がその後の選手生命に暗い影を落とすこととなりました。

故障と成績低迷

両足首の故障が完治せず、本来の投球フォームを維持することが難しくなりました。故障からの復活を目指し、様々な投球フォームへの変更を試みます。一時的にトルネード投法やサイドスローを取り入れるなど、試行錯誤を重ねましたが、いずれも思うような成果を上げることができませんでした。

フォームが定まらないことや、故障の影響もあって、一軍での登板機会は年々減少していきました。二軍での調整が主となりましたが、そこでも期待されたような安定した成績を残すことができず、苦しい時期が続きました。

復活の兆しと現役引退

長い低迷期を経て、2005年に新たな武器としてシュートボールを習得しました。これが功を奏し、実に3年ぶりとなる一軍のマウンドに復帰を果たします。主に中継ぎ投手として起用され、24試合に登板。投球内容にはやや安定感を欠く場面も見られましたが、ブルペンの一角として一定の役割を果たしました。

復活を目指した翌2006年シーズンは、二軍での調整が中心となりました。二軍では24試合に登板し、防御率0.73という抜群の成績を残すなど、実戦の中で復調の兆しを見せていました。しかし、残念ながら一軍での登板機会は一度も与えられませんでした。同年9月29日、球団から戦力外通告を受け、12月1日付で自由契約選手として公示されました。この年限りでプロ野球選手としての現役生活に終止符を打ち、その後はチームの打撃投手としてチームに貢献することとなりました。

選手としての特徴

矢野投手の武器は、最速140km/h台のストレートと、スライダー、そして晩年に習得したシュートでした。その他にも、カーブやフォークボールなども投じることがありました。

プロフィール・記録

背番号: 20 （1997年 - 2006年）
主な記録:
初登板・初先発・初勝利：1997年5月31日、対千葉ロッテマリーンズ7回戦（東京ドーム）、6回無失点
初奪三振：同上、1回表に五十嵐章人から
* 初ホールド：2005年6月10日、対阪神タイガース4回戦（阪神甲子園球場）、9回裏に3番手で救援登板、1回無失点

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