知立神社

知立神社について

知立神社（ちりゅうじんじゃまたはちりふじんじゃ）は、愛知県知立市西町に位置し、三河国の二宮として知られる由緒ある神社です。旧称は「池鯉鮒大明神」で、江戸時代には「東海道三社」の一つに数えられていました。

祭神

この神社では、主祭神として以下の6柱が祀られています。

• - 鸕鶿草葺不合尊（うがやふきあえずのみこと）: 主祭神。
• - 彦火火出見尊（ひこほほでみのみこと）: 主祭神の父。
• - 玉依比売命（たまよりびめのみこと）: 主祭神の妻。
• - 神日本磐余彦尊（かむやまといわれびこのみこと）: 主祭神の子。

また、相殿神として以下の2柱が併祀されています。

• - 青海首命（あおみのおびとのみこと）: 碧海地方の開拓者。
• - 聖徳太子: 日本の歴史に名を残す偉人。

祭神については、文献により異なる説が存在し、また聖徳太子の併祀の記録は江戸時代にも遡るとされています。

神社の歴史

知立神社の創建には諸説あり、社伝によれば第12代景行天皇の時代に、日本武尊が東国平定の際に戦勝を祈ったことが起源とされます。一方で、第14代仲哀天皇元年の創設という説もあります。

また、知立市の永見氏一族が氏神として崇敬し、饒速日尊の後裔である知波屋見命の子孫により、白鳳2年に知立神主が任じられたと伝えられています。初めは約1キロ東の高地にあったとされ、1573年の天正元年に現在の地に移転しました。

知立神社は、国史によると、仁寿元年（851年）に従五位上、貞観12年（870年）に正五位上に昇叙され、これにより三河国内の神社では最高位となりました。また、927年に成立した『延喜式』にて式内社として登録されています。

江戸時代には水野氏の尊崇を受け、社殿が修理され、さらに社領も寄進されました。特に「池鯉鮒大明神」として地元の産土神としての信仰が厚く、神札による安全や健康祈願が行われました。

現在の社殿

社殿は江戸時代後期から昭和にかけて造営され、尾張造と呼ばれるスタイルで本殿、幣殿、祭文殿、回廊、拝殿が一体となっています。これらの社殿は国の登録有形文化財に指定されており、それぞれに独自の美しさと歴史があります。特に本殿や拝殿は、檜皮葺きの美しい屋根を持ち、社殿群全体が調和を持って並んでいます。

境内の文化財

境内には、室町時代に再建された多宝塔があり、国の重要文化財に指定されています。他にも、茶室や洋風建築、珍しい天然記念物のトネリコなどが存在し、訪れる人々に多様な文化財を提供しています。

祭事

年間を通じてさまざまな祭事が執り行われており、その中には月次祭や例祭（知立祭り）、花しょうぶ祭、土御前社祭など、地域住民に深く根付いた行事が含まれます。特に知立祭りでは、山車が奉納され、地域の文化が色濃く表れます。

このように、知立神社は長い歴史を有し、地元民からも厚い信仰を寄せられている神社であり、その魅力は古から続く文化や祭りにあります。私たちは、ここを訪れることで日本の伝統に触れる貴重な体験ができるでしょう。

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