石井茂清

石井茂清



石井茂清は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将で、肥前国戦国大名龍造寺氏の重臣であり、後に佐賀藩鍋島氏の家老を務めた人物です。龍造寺氏の重臣であった石井壱岐守茂利の次男として生まれ、兄の戦死により家督を継ぎました。佐賀藩祖である鍋島直茂に仕え、父と共に家老として活躍しました。


武将としての活躍


文禄・慶長の役では、鍋島直茂・勝茂父子に従い朝鮮半島へ渡り、約1,000人の兵を率いて李惟一隊と交戦し、その武勇を示しました。帰国後は、鍋島父子を支え代官などを務め、佐賀藩成立期における藩政の確立に大きく貢献しました。大坂夏の陣にも出陣し、勝茂の使者として徳川家康と面会するという重要な役割も担いました。


最期


元和7年(1621年)、一門の石井与左衛門に謀反の疑いがかけられ、勝茂は茂清に与左衛門を討つよう命じました。茂清は家来の伊東彦右衛門を伴い与左衛門の屋敷へ向かいますが、激しい抵抗に遭います。暗闇の中での戦闘で、彦右衛門が誤って茂清を斬りつけてしまい、茂清は与左衛門を討ち果たしたものの、その傷が原因で亡くなりました。主君である勝茂は茂清の死を深く惜しみ、直ちに茂清の養子と実子を召し出し、家督相続を命じました。


死後


家督は実子の孝成が継ぎ、養子の正之は別家を立てました。孝成以降、石井家は知行1,250石を相伝し、着座の家格をもって遇され、石井寄合衆の大組頭を世襲しました。このことは、茂清の功績と彼が佐賀藩に与えた影響の大きさを物語っています。


人物


茂清は、武勇に優れるだけでなく、主君への忠誠心が非常に厚く、藩政の確立にも尽力した人物として知られています。彼の死は藩内で惜しまれ、その後の石井家の繁栄にも繋がりました。


葉隠について


石井茂清に関する記述は、武士道の精神を説いた書物として知られる『葉隠』にも見られます。このことから、彼の生き方や考え方が、当時の武士たちに大きな影響を与えていたことが伺えます。


石井茂清は、戦国時代から江戸時代初期にかけての激動の時代を生き抜き、武将としての勇猛さと、藩政を支える家老としての才覚を兼ね備えた人物でした。彼の生涯は、佐賀藩の歴史において重要な役割を果たし、その名は後世まで語り継がれています。

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